孤独な活動だと思っていた単独忍び猟が、丁度いい社交に繋がったお話

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単独忍び猟って本当に孤独な活動だと思う。

日の出前に林道から山に入る。日の出の時間を迎えたことを確認して、鉄砲を出す。

音を気にして、冷える手を擦り合わせることもせず、枝を踏まないように1歩1歩進んでいく。

「鹿の足跡か……糞が新しいなァ。今朝までいたのかな?」

山との会話……。そのうち恵まれれば獲物と出会い、撃つことになる。どれだけみごとな射撃をしても、どれだけ無様な射撃しても、誰も見ちゃいない。そのシカが息を引き取る瞬間を見るのも自分ただひとり。

ひとりで内臓を出し、皮を剥ぎ、肉をバラし、背負って帰る。

車に積んであるクーラーボックスに肉を入れて、荷物を片付け、運転席に乗り込む。深く息を吐く。

ひとりっきりの行為

ひとり遊びが好きだ。

ひとりっ子だからかな。生まれてこの方「ひとりだからつまんない」と思ったことはない。逆に大勢と一緒にいて、疲れてしまうことはしょっちゅう。

人間が嫌いなわけではないけど、やっぱりひとりの時間がないと疲れてしまう。

そんなわたしだから、単独忍び猟ってのが性に合ってた。時々「巻狩の方が獲れるよ」とか「巻狩で仲間と一緒にやる方がおもしろいよ」と言われるけど、単独猟が好きなんだもの、仕方がない。

 

肉を通じた社交

幸いにして、初シーズンから山の神は微笑んでくれた。167リットルの冷凍庫が埋まった。

少しは肉の処理にも慣れてきたので「人にあげてもいいかな」と思い始めた。

ひとり遊びが好きなタイプだから、交友関係は広くない。でも、何人かいる親友のことは信頼している。

自分の楽しみをお裾分けするくらいの気持ちで、みんなに「シカ肉いるかい?」と連絡してみた。

「いるー!」

「実はちょっと狩猟に興味あってさ〜」

「燻製してみたい!」

前向きな返事が返ってきて、みんなにシカ肉を送った。

届いた人たちから順番に「ありがとう。おれは大和煮にするよ」「今晩は焼き肉する!」と連絡が来た。

すっごい嬉しかったな。

ひとりで山に入って、ひとりで撃って、ひとりで担いで持ち帰った肉を、仲間が喜んで食べてくれる。みんな結婚して子どももいるから、食卓ではきっと「お父さんの友だちが山で獲ってきたシカ肉なんだよ」とか言いながら食べてるんだろうと思う。

「あいつは変わったヤツだよなぁ」とかみんなで笑ってくれてればそれで嬉しい。

 

丁度いい社交

直接会っているわけじゃないけど、これがわたしにとっては丁度いい社交的行為なんだな。

来期から獲る獲物は自分のためだけじゃなくて、こうやって喜んでもらってくれる仲間の為でもある。

ひとりで獲って、みんなが食べる。

いいじゃない。

またひとつ狩猟が好きになったというお話です。

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