ブーツのメンテと単独猟で使うキネシスプロGTXについて今思うこと
わたしが単独猟で使っている靴が段々と傷んできているのに気付いていました。いい機会なので、きっちりお手入れすることにしました。
お手入れしながら、単独猟で使う靴について考えましたが、猟を始めてから段々と考えが変わってきた部分があるので、それについてもメモします。
SCARPAキネシスプロGTX
わたしが使っているブーツはSCARPAという会社のキネシスプロGTXというモデル。
SCARPAはイタリアの登山靴メーカーでとっても信頼できる会社ですね。いい靴を作っています。で、わたしの靴はこんな様子です……。
見る人が見れば分かります。ひどい状態です。表面的な汚れのことを言っているわけではありません。革の色ですね。オイルが抜けています。
じつはこの靴にはちょっとストーリーがあります。この靴を買ったのはもう5〜6年くらい前でしょうか。当時は登山にハマっていて、テントを担いで山を歩いたりしていました。で、「もっといい靴を!」とこの靴を購入したのですが、買った直後、数回しか使わないうちに訳あって登山から遠ざかることに……。
結局この靴もほとんど新古品状態で、箱の中に保管されていたわけです。幸い除湿剤なんかは入れていたようで、カビはなく、パッと見は良い状態。
で、狩猟を始めることになり、使う靴について考えていたとき「新しい狩猟用の靴を買うよりも、せっかく家にあるこのブーツを使ってみて、その感覚を踏まえて狩猟用の靴を検討しよう」と思い至りました。
ファーストインプレッションは “ややマイナス”
さて、このブーツをクローゼットから出してきて、狩猟に行くようになりました。
何度か出猟したときのファーストインプレッションはこちらの記事に書きましたね。
参考:猟期が半分終わった今、単独忍び猟の装備を振り返ってみる
上の記事に長々と書いていますが、要点をまとめると(上の記事に書いていないことも追記)
<長所>
- 足の保護力は抜群
- 防水性も高い
- 暖かい
- ソールがしっかりしているので、重い荷物を持っているときの安定性抜群
- 履き心地よし!(わたしには)
つまり「登山目的には最適!」ということ。文句ありません。
<短所>
- ソールがしっかりしているがゆえに、地面の状況を感じにくい
- ソールがしっかりしているがゆえに、つま先歩きが難しい
- 重い
つまり「忍び猟の忍ぶという点で課題あり」ということ。
どっぷり狩猟にハマっているわたしとしては、「忍び猟に不向きであるということは、大きな減点であり、総合評価はややマイナス」と考えていました。
今思うこと
先述のファーストインプレッションは狩猟を始めて1ヶ月ほどが過ぎた頃に感じたことです。
その後、さらに1ヶ月以上が過ぎて、獲物も獲れて、狩猟に慣れてくるに従って、大きく考え方が変わった部分があります。上で書いた長所短所が変わるわけではありません。今でも、「足の保護はばっちりだけど、忍ぶのには難あり」という評価は変わりません。
しかし、最初の頃は「足の保護 < 忍び」と考えていましたが、いまは真逆です。「足の保護 > 忍び」と考えています。
いくら忍ぶということが上手にできても、ケガをしては元も子もないという考え方ですね。暇さえあれば猟に出て、多いときは連日になることもあります。2日連続、3日連続で出猟していると、当然身体に疲れは出てきます。そんなとき、足をバッチリ保護してくれるこの靴のありがたみを感じます。
たしかに重いのですが、ちょっと疲れて変な足の置き方をしたときも足をひねったりすることなく、むしろサポートしてくれているのを実感します。
もしケガをすれば、何日も猟に出れなくなるし、最悪の場合は猟期を丸々棒に振るかもしれないし、さらにひどい場合には命の保証だってありません。
よく猟の格言で「一犬、二足、三鉄砲」と言いますね。この格言は「獲物を獲るために大事なもの」という意味ですが、「大事にすべきもの」としてもやっぱり同じことが言えるのではないでしょうか? 犬の健康管理、足の健康管理、鉄砲のお手入れ……、狩猟をする上で大事な準備と心構えです。
要するに、足の大事さをしみじみと感じていて、その足を保護してくれるこの靴に頭が上がらない、ということです。
買い替えない、でも買い足すとしたら……
今の結論として、狩猟用の靴を買い替える気はないとハッキリ言えます。あえて言えば、予備としてもう1足あってもいいかな、とは思いますけどね。
もし予備で買うとしても足を保護してくれる靴を選ぶでしょう。
何となくAmazonで見てみて、「こういうのいいよね」と思うのを挙げてみると……
なんか、そっくりな3足になってしまいましたね。あるいは今のとまったく同じSCARPAキネシスプロGTXを買う可能性さえあります。LLビーンのハンティングブーツあたりも履いたことはありませんが、気になります。
自分なりの選定理由を挙げると——
- アッパーは全面革のもの
- ある程度の高さがあるもの
という点を重視しています。上の二つだとチベットGTの方が高さがあるようですね。履いてみて相性が良ければ欲しくなっちゃいます。
さて、傷んだブーツのお手入れ
とまぁ、いろいろ考えが変わり、自分の靴への愛着がグッと湧いたんです。で、ふと靴を見たとき「オイルが抜けてるんだよなぁ」とため息が……。
で、ただオイルを塗るのではなく、ちゃんと専門家のお手入れ方法を見てみようという思いになりました。で、最強に参考になるのはこちらのサイト——
登山靴のお手入れについて|登山靴専門店 バックカントリー穂高
こちらは登山靴専門店で、靴だけではなくお手入れグッズや、その使い方まできっちり語っております。信頼できるお店だと思いますよ。ほんと。わたしが付け焼き刃でお手入れ方法を書いても仕方がないので、レザーブーツのお手入れを学びたければ上のサイトをご覧ください。わたしもその通りにやりました。
曰く『保革・栄養不足の革製の登山靴は、3年しかもちません!』とのことです。わたしの靴は軽く3年は保革・栄養不足だったので、死に体だと言われてしまいそう……。
また、できれば購入したら、オイルを3度塗りして欲しいとも書いてあります。わたしはそれをやっていませんが、初心に返るという意味で、しっかりキレイにして、オイルを3度塗りましたよ。
で、その結果がこちらです。
まぁ、よく見ればムラもあるし、もともと傷んでいた革が直るわけではないので「完璧!」とは申しませんが、お手入れ前と比べればずいぶん良くなりました!
水をかけてみると完璧に水を弾きます。これまではレザーに水が浸みていたので大きな違いです。
今後は気持ちを入れ替えて、頻繁にお手入れしてあげたいと思います。
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