猟期直前の猟場歩きは鹿3頭の背中見物
ときは11月1日。一部の地域では狩猟の解禁日ですね。わたしの地域は通常通り11月15日からですので、ちょっと悔しい思いをしていました。
「そんなときは山に行こう」
と近くの猟場を下見してくることにしましたよ。
わたしが好きな地形
これまで猟場の下見をしてきて、よく鹿を見かける、わたしにとって縁起の良い地形や植生がいくつかあります。
その中の1つが針葉樹林と広葉樹林の境目。針葉樹林は下草も少なく、見晴らしが良いのですが、広葉樹林は下草もさることながら、低木も多く、いわゆる「茂み」が多いんですね。わたしの少ない経験ではこの境目。さらに言えば、広葉樹林側の茂みの中(あるいはそのすぐ外)に立っていることが多いように思います。
そこで、地図を見て条件にあう場所を探して歩いてみました。
こちらの写真で雰囲気がわかりますか? 写真右の方に青々とした広葉樹林が広がっています。
こちらもそうですね。で、ここの場合は広葉樹林とは傾斜のきつい斜面になっており、針葉樹林側は尾根の上。こういう地形では尾根の上そのものではなく、尾根から1歩2歩降りた場所の茂み近くに鹿が立っていることが多いと思っています。
「いそういそう!」
とワクワクしながら歩いていましたが、2時間歩くもまったく出会いはなく、それどころか新しい足跡や糞といった痕跡もありません。時々見かける足跡も雨で崩れ、ずいぶん古いものばかり。
「ここじゃない感が漂ってる……」
とちょっと落胆気味。腹も減ったので、昼食にすることにしました。
昼食も楽しみの1つでしょ
火を熾して、湯を沸かして、コーヒー&ラーメンタイム。この時間も楽しいものです。
近くにクロモジの木があったので、小枝を失敬して、爪楊枝に。クロモジは枝からステキな香りがするため、高価な爪楊枝に使われているんですよ。油を含んでいるので雨の日の火おこしにも良いそうです。
別の尾根に移動
のんびり昼食を楽しんでいたら、けっこう時間が過ぎていたので、思い切って隣の尾根に移動することにしました。
すると鹿の痕跡が——。角で折ったあとだと思われます。
すると猪祭りなスポットが
どうも先ほどの尾根と違って、こちらの尾根は鹿も猪も気配濃厚。先ほどの鹿の角研ぎ跡のすぐそばでは猪が地面を掘り返したあとが大量に。こういう場所を見ると「猪祭り」と名付けることにしています。
鹿も猪もいるかもしれない。と、またもワクワクしつつ、ゆっくりゆっくり歩きます。上の写真を見れば分かる通り、決して見通しがいい場所ではありません。
「すぐ近くにいたりして……」
なんて思っていたら、まさに20mくらい先でガサガサと音が。目を向けると、鹿でした。しかしすぐに茂みに飛び込み、そのまま斜面を急降下。背中しか見えませんでした。
「あ〜あ」と落胆しつつ、鹿が立っていた場所を見にいくと、またも鹿! そいつも同じ斜面を急降下。あっという間に見えなくなりました。鉄砲を持っていても撃てないパターンです。
この日は、このあとさらに1頭に遭遇するも、やっぱりお尻だけ一瞬見えて、そのまま走り去るという始末。3頭も遭遇して、1頭も撃てなかったでしょうね。
ゆっくり歩く根気
もちろんわたしもゆっくり歩く努力はしていますが、もしかするとまだまだ根気が足りないのかもしれません。

たとえば1頭目が逃げたあと、すぐに歩いていって、2頭目を逃がしてしまっています。今思えばジッと堪えて、様子を見て、2頭目がいるかもしれないことを想定して、別のルートから回り込むなど、なにか工夫があっても良かったように思います。
あるいは、その場でジッと耐えて、相手が辛抱できなくなるのを待つとか。
なんにせよ、「この辺にいそう」と思ったときに、ど真ん中をまっすぐ歩み寄ってしまうのは大失敗でした。今回も「気配濃厚!」と言いつつ、ど真ん中を歩いています。せめて回り込んで姿を隠しながら歩み寄る努力はしないといけないと思いました。
まだ猟期にもなっていないのに、難しさと己の未熟さを痛感した山歩きになりました。
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