巻狩に参加して、考えが変わった道具たち

最終更新日

先日、巻狩に(見学&雑用として)参加させていただき、一発で考えが分かった道具がいくつかあります。追加した物、変更した物、減らした物。そういうものをご紹介したいと思います。

「まだ変更してないけど、変更したい」といった願望も含まれます。

道具っておもしろい

個人的には道具選びってすっごくおもしろいです。

もちろん道具がすべてだとか、いい道具があればオールオッケーとは思ってませんが、趣味として全力で狩猟を楽しみたいので、道具の研究も楽しみたいと思っています。狩猟そのものはもちろん、そのすべてを余すところなく楽しみたいのです。

で、狩猟の準備のためにあれこれ道具を用意してきましたが、巻狩に参加させていただき、自分なりに「ああ、これはいまいちかもなぁ」と感じた物を挙げていきます。

ちなみに、すべて「わたしの地域の巻狩の場合」ということです。やり方が変われば、道具も変わるでしょうしね。わたしの場合も、単独ではまた違う道具になると思っていますよ。

 

ではさっそく行きましょう。

無線用のイヤホン

過去にこんな記事を書きました。

ハンディ無線機にマイクとイヤホンをつけてみた

ここではダイアモンド社製のイヤホンを買いましたが、これに関して、ちょっと後悔しています。というのも、耳掛け式で、落ちないのは嬉しいのですが、結局音が出る部分は耳の中に押し込むタイプ。とくにこの製品はかなり耳に奥まで入るタイプで、めちゃくちゃ聞きやすいのですが(これは長所)、その分だけ防音効果もあって、結局回りの音が聞こえにくくなります。

それに耳の奥に入れているので、ちょっとストレスもありましたね。我慢できないほどではないですが、ときどき取って耳を休ませてました。そういうことが手間なんですよね。

買い直すならこのタイプにすると思います。

これだと回りの音は遮らないし、耳の奥に入れないのでストレスも少ないかと……。

ただ、このタイプだとボリュームを上げすぎると回りから聞こえてしまいます。耳が遠い人は注意した方がいいですね。

 

救急系キットは超最低限+車載

わたしの地域の巻狩では林道からタツマまでがあまり遠くないようです。

つまりほとんど歩かない。聞いている感じだと、1番歩くときでも15分くらいでしょう(まだ経験が浅いので不確かですが……)。となると救急系キットはかなり少なめでOK。たぶん地元の先輩猟師たちはほとんど持っていないです。

ただ、性格的にゼロってのは不安なので、ナイフで手先を切った時のために絆創膏、深く怪我した時用の止血剤を1つくらいは持参するかな。まぁ、中身はこれから考えますが、本当に最低限でいい気がします。

その代わり、車にそれなりの救急キットはあってもいいですね。「イノシシに切られた」なんてときに、車に戻って止血できればいいかな、と。

 

足下は長靴+口は縛る

足下は元々スパイク長靴を履いていました。これは正解かと思っていますが、長靴の口は必ず縛っておきたいですね。虫が入ってきたり……、土が入ってきたり……、けっこう不快です。

他の方々を見ていると、全員きっちり口を縛ってます。長靴だったり、林業用の安全靴を履いていますが、口を縛っているのは一緒。

 

モービル無線機は、あったら嬉しい

巻狩に参加したときの記事でも書きましたが、モービル無線機はやっぱりあるにこしたことはないですね。

とくに巻狩をする朝の場所決めでは林道を走りながら、無線で情報交換をします。ハンディでも大丈夫と言えば大丈夫ですが、モービル機があれば、より快適&スムーズでしょうね。

とはいえこれは高い買い物になるので、ひとまず今期はなしで行こうと思います。もともと来期以降に購入を検討していたので、これは変更というよりも、「やっぱりあったほうがいいな」という再確認ですね。

 

弾の数

これは他の先輩猟師たちを見ていて思いました。「弾の数はケチらずそれなりにもっていこう」と。

単独猟で、長く長く山を歩くときであれば、荷物の重さもそれなりに重要で、荷物を減らしたいという気持ちもありますが、あまり歩かないうちの地域の巻狩では、その心配はあまりありません。となれば、ケチって少なく持って行くより、弾差しに入る分だけ持って行けば良いかな、と。まぁ、わたしの弾差しが12発分なので、12発くらい持って行こう、ということです。

その日に何回巻狩をやるかも分からないので、ギリギリの数(たとえば3発)とかだと不安です。まぁ、実際には1発も撃たない日が多いだろうとは思いますが、かといって稀にある「たくさん撃つ日」に足りなくなるのは嫌だな、って。

 

それなりに暖かい格好を

繰り返すようですが、わたしの地域の巻狩ではあまり歩きません。

つまり寒い。

そして開始となればジッと待つことになります。さらに寒い。

というわけで、ある程度の防寒は必須でしょうね。わたしが参加したときはまだ初秋の暖かい時期でしたが、冬になればかなり暖かい格好が必要だろうな、と思いました。

 

衛生用品大事!

解体用ゴム手袋、ウェットティッシュ、タオル、除菌スプレー、手洗い用の水など、衛生用品はいろいろあると便利ですね〜。

先輩方も車にあれこれ積み込んでる人がいました。

山の中で獲物を解体すれば、手やナイフが血だらけになります。手はゴム手袋をしているかもしれませんが、ナイフは確実に汚れます。当然、ナイフは使い終わったらシースに収納しますが、血はもちろん、野性肉の菌がたっぷり付いた状態でシースに入れれば、その菌がシースで繁殖してしまいます。

というわけで、できれば除菌ができるウェットティッシュを荷物に忍ばせておくと良いですね。で、解体を終えたらサッと除菌。

また、革のシースはダメかもしれませんが、木の鞘であれば、帰り際に内部に除菌スプレーをするのも良いかもしれません。

 

実のところ、わたしは汚れや菌に無頓着なタイプです。落ちたものも平気で食べます……。だけど、野性の肉はヤバい菌がいるとも聞きますし、自信を持って家族や友だちに振る舞いたいので、狩猟で獲った肉は衛生的に処理したいなって思うんです。だから、意識してこういった衛生用品を持っていこうと思います。

 

ナイフのランヤード不要か?

ランヤードというのは、下の写真で言うオレンジのパラコードのこと。ナイフのお尻につける紐ですね。

ランヤードってけっこう便利なんです。たとえば上の写真のような小型のナイフの場合、シースから出すときのつかみ所として使いやすいし、ナイフを握るときにランヤードも巻き込むことでちょっと安定することもあって、個人的には短くつけておくのが好きなんです。

だけど、先輩ハンターの解体シーンを見て「想像はしていたけど、やっぱりランヤードはいらないナ」と確信。

だって、血だらけですもの。ランヤードなんて、あっという間に血を吸っちゃいそう。あえていえば、簡単にほどける形で結んでおき、洗うときに解いてしっかり洗えば良いのかもしれないけど、う〜ん……。

いろんな人のナイフを見て研究しなくちゃいけませんが、わたしは「ランヤードなし」でしばらくは使おうと思っています。

※ついでに言うと、上の写真のような「鹿の角」系のナイフは衛生的な気がしますね。木と違って血を吸うこともないので水洗いでも随分キレイになるでしょうし。その代わり状況によっては滑るかな?

 

犬用のロープは必要

巻狩やっている人の荷物を見ていると、頻繁に見かけるのが犬用のロープ。まぁ、犬だけではなく、獲物を引っ張るために使ったり、吊すために使ったり、けっこういろんな用途で使うようですね。

なんにせよ、ハンディなロープを1つ2つ持っていると便利かもしれません。

わたしが参加した巻狩で、獲物を仕留めた人も、すぐに犬を捕まえたのですが、ロープを持っておらず、2頭の首輪を掴んで他の人が来るのを待っていました。

そうなると、犬で手一杯で、血抜きもできず大変そうでした。

やっぱりロープを持っておいて、犬を繋いで木に結んでおけば、すぐに血抜きやら解体やらに移れますからね。

犬用ロープに関してはこちらが参考になりますね。

かっこいいぞ!猟犬捕獲用ロープの巻き方・作り方

 

他にも色々あるんだろうな

やっているうちに道具も、その使い方も、どんどん変わっていくんでしょうね。

その変化も楽しんでいきたいと思います。

先輩猟師のみなさま、助言がありましたら、どうかコメント欄かTwitterまでお願いします。


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狩猟やってます。ひとりで歩き獲物を追う単独忍び猟が好き。2022年からはアイヌ犬のイチを連れて一銃一狗に挑戦します。狩猟系ブログ《山のクジラを獲りたくて》運営。狩猟系の本を集めるのが趣味。雑誌『狩猟生活』『ガンズ&シューティング』に寄稿し始めました。 ヤマノクジラショップ始めました:https://yamanokujira.theshop.jp

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4件のフィードバック

  1. 少しかさばりますが、車に10リットル入るプラスチックの容器に水を入れて、電動の灯油ポンプで蓋をしています。スイッチを入れると傾けなくても水が出るので、血が付いたナイフや手を洗うのに便利です。20リットルでは大きすぎるので、私の場合は10リットルぐらいがちょうど良いです。電気止めさしをする場合も、10リットルもあれば十分に導通が良くなります。少し残しておけば、血抜きに使ったナイフが洗えるし、猟犬に水をやるのにも便利です。

  2. やまくじ様 先日はショーにお越し下さりありがとうございました。また僕のナイフをご紹介下さり感謝感激しておりました!何か間違いがあるといけないので遠慮させて頂いておりましたがこの場にてお礼させて頂きます。またお話し出来る事を楽しみにしております。内田 啓.

    • 内田様、こちらこそ楽しい時間を過ごさせていただきました。ありがとうございました。
      わたし自身ナイフに詳しいわけでも、ナイフユーザーとして経験豊富なわけでもありませんが、とにかく満足して使わせていただいてるのは事実です。
      じつは今回拝見した中でも「本当は欲しい」ものは二本ほどありましたが、そうそうポンポンとは買えないので。。
      またナイフが必要になったときにはご相談するかもしれません。そのときはよろしくお願いします!

      • こちらこそよろしくお願い致します!自分の持てる力は全て投入させて頂きます。それからレビューなどは完全に各個人の自由であるべきと思っております。辛口コメントでもナイフメーカーにとっては全て血肉になりますのでお気づきの点などございましたら是非ビシバシとおっしゃって下さい。記事はいつもとても楽しく拝見させて頂いております。今後ともよろしくお願い致します。