狩猟用に双眼鏡を実際に覗き比べてみて思ったこと
先日、久しぶりに東京に出る機会があったので、前から覗き比べてみたかった双眼鏡を見にいきました。
これが思いのほか「見なきゃ分からない」ものでして、驚くと共に、双眼鏡選びの参考になったので、見比べて思ったことをご紹介します。
行ったお店
いったのは2店舗。1つは協栄産業さん。
こちらのお店は秋葉原にあります。天体望遠鏡をたくさん取り扱っており、双眼鏡もいろいろ並んでました。ただ、置いてある主なメーカーがライカ・スワロフスキー・ツァイスと高級御三家でして、8×40クラスの双眼鏡だと10万円からって感じです。あまりに手が届かないので、目の保養だけにして、次のお店に移ることに。
で、次に行ったのが秋葉原のヨドバシカメラ。
ヨドバシAkibaはお値打ち品から高級品まで品揃え豊富ですね。予算数千〜数万程度の人はこちらがオススメです。また、店員も知識豊富で質問にはバシバシ答えてくれます(もちろん協栄産業さんも)。
まずは口径の違いを……
ヨドバシAkibaに着いて、まずやったことは口径による違いの比較です。理屈で言えば「対物レンズの口径が大きいほどシャープに見える」わけですが、どれくらい実感するものなのでしょうか?
わたしが狩猟用に迷っているのは8×32にするか8×40とか8×42あたりにするかです。というわけで、試しにVixenの下記2つのモデルを見比べてみました。
これらはVixenのコールマンとのコラボモデルで、比較的安いエントリー機的なモデルのようですね。まったく同じモデルで口径違いなので、比較しやすいです。
で、覗いてみた感覚としては当たり前ですが、明るい場所を見るとそんなに違いを感じないけど、店舗の隅の薄暗い場所を見ようとすると、やっぱり違ってきます。
「へぇ、やっぱり明るいレンズは見えるねぇ」
なんて思いつつ、他のモデルも適当に手に取ってみます。
「あれ? モデルによって全然見え方が違う……」
たとえばこちらのモデルを覗いてみました。同じくVixenですし、倍率は8倍、口径も42。ただしランクが高いモデルです。お値段で言えばさっきのコールマンモデルよりも1万円ほどお高いです。
すると、全然見え方が良くなるんです。口径は一緒だし、パッと見のスペックは似ているんですが、手にとって、目に当てた瞬間「見える!」って感じ。
「ヤバい、双眼鏡って口径だけで考えちゃダメだ」
とちょっと衝撃を受けました。
店員さんに相談
せっかくお店に来ているのですから、いろいろお店の人の相談させていただきました。
「双眼鏡を買いたくて悩んでるんですが……」
「用途はなんですか?」
「アウトドア……狩猟です(言って良いものか悩むけど、試しに言ってみた)」
「ああ、狩猟ですか。なるほど! 今気になっているモデルとかありますか?」
「たとえば——」
「これが気になりますね。本当は8×42もいいなぁ、なんて思うんですが、390gという軽さが魅力で」
「なるほど。実は狩猟用に検討して欲しいモデルがあるんです。それがこちら——」
「ポロプリズムですね」
「はい、ポロは構造上ダハに比べて安く作れるんです。だから、同じくらいの価格帯なら、ポロの方が性能は良いことが多いわけですね。で、このモデルをオススメする理由なんですが、実視界の広さがポイントなんです」
→ 実視界とは双眼鏡の見える範囲です。角度で表現します。広い方がいいのですが、無理に実視界を広くしているせいで、外側の像が歪むモデルもあります。それだと外側の方は使い物にならないので、これも数字だけに頼らず、自分の目で見て判断したいですね。
「お客様が気になっていた先ほどの軽いモデル(アトレックⅡ 8×32)の実視界は7.5°。一方こちらは8.2°。たとえば山の中で獲物を探すときなど、双眼鏡をあまり動かさずに広い範囲を見ることができるわけです」
(´-`).。oO(なんで、この人狩猟のことまで知ってるんだろう。すごいなぁ)
「実際のところ、7.5°も十分に広くて、決して問題はないのですが、ただこういう選択肢もあるということを考えてみてもいいと思いますよ。実はお値段で言えば、こちらのほうが安いンです。口径も42で明るいし、実視界も広いし——」
「ただ、重いですね〜」
「そうですね。こちら870gあります」
そう、口径も大きく、実視界も広く、値段も安いので、もう「これください」って言いそうなくらいだったのですが、先ほどの軽いモデルに比べると重さがなんと2.2倍。
とにかく重い。
レンズのクオリティの差
店員に、安いモデルと高いモデルは随分見え方が違いますね、と呟いたところ、「もうレンズのクオリティや、レンズのコーティングが全然違いますからね」とのことでした。
ちょっと大袈裟に聞こえるかもしれませんが、安価な8×42と、高価な8×30があったら、8×30の方が見えるなんてことが平気で起こります。
実際、店員が「もし予算を上げられるなら、こんなのもありますよ」と見せてくれたのが、Nikonモナーク7でした。
8×30ということで、口径だけ見れば格別に明るいわけではないのですが、覗いた瞬間違いが感じられます。レンズを通していないかのように見えます(当社比)。
もし、8×30クラスの双眼鏡で、予算を3万くらい出せるなら、本当にありだと思いますよ。重さも435gと悪くありませんし、実視界は8.3°。
わたしが最初に見ていた軽量が魅力のVixen アトレックⅡ 8×32が390gなので、大差なし。実視界はモナーク7が上。値段も1万円の違いです。出せるならNikonでしょうね。
8×42が欲しければ、モナーク7の8×42もあります。こちらも値段を見なければ、かなり魅力。8倍、42口径、実視界8°、650g。ただし、お値段高めの4万円。
ぜひお店に行ってみてください
覗いたモデルをすべてご紹介することはできませんが、実際に覗いてみると、スペックには見えてこない魅力や欠点が出てきます。
今日は「見え方」ばかり書きましたが、手に持ったときのフィット感なんかもやっぱり安いものは安っぽいです。今日ご紹介したものはどれもよかったですけどね。
またフォーカスを合わせる操作も、モデルによって違います。すっごく軽い操作ができるものもあれば、なんか重くて使いづらいものもありました。
また、パッと覗く動作がしやすいものもあれば、やっぱりちょっと目の位置を探さないといけないモデルもありました。これは相性もあるのかもしれません。
よく見える双眼鏡は、本当に文字通り、いつまでも見ていたくなりました。一方、自分と相性の悪い双眼鏡は「二度と見たくない」くらいに思いましたね。値段だけではなく、本当に相性があるのだと思いました。
今日の感想をまとめるなら「重さも大事だけど、自分の性格的には見え方もかなり重要。重いのを我慢して、見え方を優先するのもありかもしれない」って感じです。まだ結論は出せませんけどね。
みなさんのお気に入りの双眼鏡があれば教えてください。
また、おもしろいと思ったらこちらをクリックしていただけると、ランキングが上がります。応援のつもりでお願いします。
ブログ村へ
