海外ハンターの双眼鏡事情は日本とは違うようです

最終更新日

双眼鏡っていうアイテムにどうもハマってしまったようです。

双眼鏡のことを考えるのがとても楽しいもので、ついついあれこれ調べてしまいます。ところが「狩猟 双眼鏡」みたいなキーワードで検索してもそれほど多くの情報は見つかりません。なにしろ日本じゃ狩猟情報自体がかなり少ないのが実情ですから、狩猟用の双眼鏡の情報も多くは望めません。

どんなジャンルでも、より多くの情報が欲しいと思ったら英語で検索するのがオススメです。

というわけで、英語で狩猟用の双眼鏡について調べてみたので、気付いたことをご紹介します。

“Binoculars for hunting”

わたしもいろいろ調べてみましたが、すべてをご紹介することはできません。自分の目で調べてみたい人は “Binoculars for hunting” みたいなキーワードで検索してみましょう。

英語のブログは結構文字が多いテキスト系の記事が多いですが(わたしの記事もそうですね)、英語があまり得意ではなくてもパーッと下までスクロールすると、オススメ双眼鏡が画像付きで紹介されていたりするので、ぜひそちらもご覧ください。

で、今日、わたしが参考にしたいくつかのサイトをご紹介します。

Best Hunting Binoculars for 2017 – Buying Guide & Reviews

Gear Guide: Best Binoculars for Hunting 2017

BEST BINOCULARS FOR HUNTING IN 2017: REVIEWS INCLUDING COMPACT MODELS

 

倍率の考え方

日本では8倍?

日本では狩猟用の双眼鏡と言えば8倍を勧めるケースが多い気がします。そもそも狩猟のハウツーサイトが多いわけではないので、「8倍を勧める人が多い」と断言はしちゃいけないのですが、少なくともいろんな人が使っている双眼鏡を調べると、やっぱり8倍くらいが多いんです。

参考:狩猟家ブロガーのみなさんが使っている双眼鏡から、狩猟用双眼鏡を考える

先日、ヨドバシAkibaに行ったときも、「狩猟やアウトドアでの双眼鏡のおすすめは?」と聞いたところ、やっぱり「8倍」と即答されました。

英語圏だとどうだろう?

英語のサイトを見ているからと言って、これらの情報がアメリカと言い切ることはできません。カナダかもしれないし、イギリスかもしれないし、その他の国の可能性もいくらでもあります。

さきほど挙げたサイトもパッと見た感じで、国籍不明なので、ここでは「英語圏」とざっくりまとめさせていただきました。

 

さて、英語圏のサイトを見てみると、決して8倍推しではないんです。8倍と10倍が等しく押されています。たとえばBest Hunting Binoculars for 2017 – Buying Guide & Reviewsを見ると、2017年の「狩猟用双眼鏡ベスト5」を紹介していますが、5つのうち3つは10倍です。残りの2つが8倍。

他のサイトを見ても、8バイト10倍は等しく押されています。むしろちょっと10倍を押しているケースも見られます。

 

わたしは好きでアメリカの狩猟動画なんかもよく見るんですが、日本の狩猟に比べてはるかに “開けた場所” でやってるんです。へたすれば何百メートル(あるいは1km)も遠くまで見えちゃうような地形です。

日本で言えば北海道がそんな感じらしいと聞きますが、本州ではちょっと考えにくい地形です。わたしが行く猟場では木が多くて、そんな遠くまで見渡せる場所は稀です。

英語圏では本州のぼくらの感覚よりも、少し遠くまで見える10倍という選択肢が増えてくるんでしょうね。これが12倍、16倍と増えていかないのは、手持ちで使える限界だからでしょうね。これ以上倍率が高いと、とても手じゃ覗けなくなります。

 

というわけで、自分なりに思ったのは「日本でも8倍に囚われる必要はない。自分が使いやすいと思うなら、10倍もあり!」ということ。

 

対物レンズの口径について

日本だと……どうだろう?

これは本当に分からないのですが、Twitterなどでみなさんが使っている双眼鏡を見ると、対物レンズがあまり大きくないものが多い印象です(本当にただの印象です。統計的に考えられるほど情報がないもんで……)。

どうも8×21とか8×30くらいのものが多いのでしょうか? 中には42口径という人もいらっしゃいましたので、あるいは私が気付いていないだけで大口径も使われているのかもしれません。

仮に8×21や8×30が多いとして、その理由を考えると、先ほど書いた地形の違いにより「双眼鏡の必要性が低い」からなのかもしれません。あるいは山の中を歩き回るので、軽量化を重視する結果なのかも。

双眼鏡も大好き(ッポイ)JPSikaHunterさんも流し猟では8×42ですが、牧草地を歩くときは8×32を使っているようです。

 

英語圏だと、結構大口径が使われてる

で、英語圏のサイトを見てみると、これが、もうあきらかに42口径推しなんですね。

さきほどの3つのサイトでは一部例外を除き42口径しか出てきません。例外というのは、サイトによっては「コンパクトな双眼鏡のオススメ」というセクションを設けていて、そこでは32や25といったサイズが出てきます。それ以外は100%42口径。

どうも英語圏では双眼鏡というものを「フルサイズ」と「コンパクト」に分けて捉えているようです。日本だとそういう分け方をするのでしょうか? パッと検索してみた感じだと、あんまり定着している分け方ではないようです。ともかく、英語圏で言うフルサイズの双眼鏡は42口径より上を指すようです。

英語圏では「狩猟用にはフルサイズの双眼鏡が望ましい。ただし、どうしても荷物を軽量化したいときはコンパクトモデルもありじゃない?」というのが定番の考え方のようですね。

 

これはまた日本との地形の差と捉えることもできそうです。「より遠くのものを見たい」という欲求が強いがゆえに、手ぶれしにくい8〜10倍で、かつできるだけシャープに見えるように大口径の双眼鏡を使おう、と。そういう考えがあるのかな? って思いました。

また、体格の差もあるのでしょうか?

42口径となると重量はどうしても700gオーバーとなってきます。中には1.3kgなんてものもありました。

昨日のブログにも書いたとおり、わたしが今迷っている8×42の双眼鏡が800gを越えます。8×32なら400g前後でも見つかったりするので、その重さのせいでひどく迷っています。しかし、英語圏だとこれくらいの700g〜の双眼鏡は普通に使われていると考えれば、あながちありえない選択肢ではないと言えます。

 

ドイツでは?

こんな記事を見つけました。これは興味深いタイトルです。短い記事ですので、ぜひリンク先もご覧ください。

ドイツで用いられる狩猟用の双眼鏡

結論としては8×56という大口径の双眼鏡が使われているそうです。

海外においても、このハチゴーロクが強く求められる国は、ドイツとその近隣諸国に限られます。これは狩猟が許可されている時間帯が米国、ドイツとでは異なることに起因しています。

とっても興味深いですね。はっきり書いていないのですが、ドイツでは夜の猟が許されているということでしょうか? 少なくとも夜明け前・日暮れ後の薄暗い時間帯も撃てるのかもしれません。

となると、8×56という、理論的には最大の口径(?)の双眼鏡が欲しくなるのも分かる気がします。

所変わればって感じですね。

 

結論

日本の常識に囚われなくて良い。

そう思いました。「みんな8倍だから8倍にしよう」とか「みんな軽量なモデルを使っているから、自分も——」と自分を縛る必要はないと思います。

大口径が良ければ大口径を使えばいいし、高倍率が良ければ高倍率を使えばいい。もちろん、その分重くなったりしますけどね。

重いことで文句をいうのは自分の身体だけです。他人じゃないし、ましては仲間から文句を言われる筋合いもないわけです。自分さえ良ければOK。そういうもんだと思います。

——と、言いつつ、荷物が軽いと本当に行動力が高まるので、軽量モデルも捨てがたいですよね〜。

あ〜あ、将来、コンパクトなモデルと、フルサイズのモデルを両方所持している自分が想像できますわ。。

「沼だなァ」と思って笑ってください。

 


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狩猟やってます。ひとりで歩き獲物を追う単独忍び猟が好き。2022年からはアイヌ犬のイチを連れて一銃一狗に挑戦します。狩猟系ブログ《山のクジラを獲りたくて》運営。狩猟系の本を集めるのが趣味。雑誌『狩猟生活』『ガンズ&シューティング』に寄稿し始めました。 ヤマノクジラショップ始めました:https://yamanokujira.theshop.jp

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