狩猟家ブロガーのみなさんが使っている双眼鏡から、狩猟用双眼鏡を考える
狩猟というヤツはどうしてこうも道具がいろいろ必要なのでしょうか……? 楽しいですね〜。
さて、狩猟に不可欠……かどうかは分かりませんが、あったら便利そうなアイテムが双眼鏡。
とはいえ、双眼鏡も奥が深い世界で、安いものから高いものまで色々あります。理屈で「これがいい、あれがいい」と考えるのも楽しいですが、せっかくのネット社会。いろんな狩猟家さんたちが「自分の使っている双眼鏡」をブログで紹介してくれています。
今日は狩猟家ブロガーのみなさんが使っている双眼鏡を見つつ、「買うならどんなのがいいか?」を考えてみたいと思います。
JPSikaHunterさん
北海道でエゾシカ猟をするYouTuberのJPSikaHunterさんは双眼鏡にもこだわりをお持ちのようです。
これまでいろんな双眼鏡を使ってきているようですね。概要欄を見てもらえば、JpSikaHunterさんなりの結論が書かれています。
流し猟にはニコン モナーク5 8×42 が、明るくて全体に歪みのない視野と、長いアイレリーフという点で優れています。新製品でありながら無理に視野を広げていない点が評価できます。牧草地での忍び猟にはコーワ BD32-8 (8×32) が、明るくて広い視野と、比較的小型軽量という点で優れています。
いずれにせよ、8倍の双眼鏡を使われているようですね。ここでいう流し猟とは林道を車で走り、獲物を見つけたら車を降りて撃ちに行くスタイルの猟を指し、忍び猟は歩いて獲物を探すスタイルの猟を指すと思われます。
忍び猟では軽量・小型であるコーワBD32-8を選んでいるのかもしれません。
ひろろぐさん
熊狩りシーズン到来!春クマ猟に必要不可欠な7つ道具+αを紹介します!
曰く、
何百倍にもズームできるような双眼鏡もありますが、手ブレのことも考えると狩猟の場合は8倍~10倍がベター。周りの猟師もみな、8倍~10倍の双眼鏡を持っています。
とのこと。やっぱり8〜10倍くらいがいいみたいですね。実際に使われているのはコーワSV10x50。10倍、対物レンズが大きいですね。
登山・釣り・素潜り・狩猟でまた一年
ブログ主さんのアウトドアの鬼さんは罠猟で双眼鏡を活用されているとのことです。
私が罠を仕掛けているエリアの半数は、山道から見下ろすことができる場所なので、双眼鏡で覗けば十分に罠の確認ができます。
道からの距離は2百メートルほど、罠の動作確認ができればいいので、双眼鏡の倍率は8倍ほどで十分でした。
罠が作動しているかどうかを路上から確認するために双眼鏡を使われているとのことです。で、実際に使われているのはOLYMPUS 8X25WP II GRNというモデル。ここまで紹介したモナークやコーワに比べてグッとお値打ちな価格帯が嬉しい双眼鏡です(Amazon価格で9,244円)。
ここまでで紹介したモデルに比べると対物レンズが小さめ。つまり少し暗めである、と言えそうです。しかし、見る場所も決まっているし、罠の作動状況が分かればいいので、これで十分なのでしょう。
Boy Meets Meats.com
ブログ主のSpinickerさんはOLYMPUS ダハプリズム双眼鏡 8×21 RCIIを使っているとのことです。
お値段手頃だし軽いしで悪くはないのですが、ちょっと画像が暗いように思います。
とのことです。やっぱり倍率は8倍。ほとんどの人が8〜10倍を使っているというのは本当のようですね。
じつはわたしも8×21の双眼鏡を持っていて、猟場歩きをするときは欠かさず持参しています。明るい環境では気にならないのですが、ちょっと陰っていたり、薄暗い茂みの中を歩いているときは暗く感じますね。
(余談)ひとみ経について
余談になりますが、ひとみ経は「対物レンズの有効径÷倍率」で求めることができます。8×21の双眼鏡のひとみ経は3mm。8×42だと5.25mmという具合。
で、このひとみ経が、自分のひとみの大きさよりも小さいと暗く感じ、同じか、大きければ明るく感じるとのことです。
で、ひとみの大きさは周囲の明るさによって変わります(明るい場所で猫の目が細くなるのと同じ理屈)。一般に「明るいところでは2〜3mm、暗いと7mm程度」と言われているんですね。
つまり、8×21の双眼鏡(ひとみ経=3mm)は明るいところでは十分。でもちょっとでも薄暗くなると暗く感じるというわけ。一方、8×50(ひとみ経=6.25mm)だと、夕方なんかでもけっこう見えるということになります。
愛犬「凛」との里山日記
こちらのブログ主さんは7×35のニコンの双眼鏡を使われているようです。古いモデルのようで、Amazonでは見つかりませんでした。
渋い見た目の双眼鏡で、かなり好みです。こういうのを持って狩猟をするのも楽しいだろうなぁと思いました。
たのしい猟師日記
こちらのブログ主さんが使われているのがOLYMPUS 双眼鏡 8X21 DPC I。
オリンパスはお値打ちでいい感じの双眼鏡をだしているのかもしれませんね。こちらもAmazon価格4,016円ということで、手が出やすい価格帯です。
購入当初は、「そんな倍率で大丈夫か?」と、8倍率ではなく10倍率を買おうと思ったけど、いざ使ってみたら、350mくらいまでならギリギリ判別できた。 具体的には、ウォッチャー初心者の私が、マガモかスズガモかをクチバシの色で判別した距離で、正直これ以上の距離はカラス以外判別出来る気がしない。
とのことで、8倍で350mまでは鳥の判別がぎりぎりできるとのこと。見分けやすい種類なら、という条件付きでしょうけれども、けっこうな距離ですね。
結論
まぁ、とにかくみなさん8倍前後の双眼鏡を使われているのは確かなようです。7倍の方がおひとり、10倍の方もおひとり、あとはみなさん8倍でしたね。
途中でひとみ経について簡単に説明しましたが、計算式を見れば分かる通り、倍率が高くなると、同じ対物レンズ経では暗くなります。つまり8×32と10×32があったら、8×32の方が明るいということです。
8×32と同じ明るさの10倍が欲しければ対物レンズは40mmでなくてはいけません。
山を歩くときは荷物の重さ・大きさもとても重要な機能です。小さいことは正義、ということ。人によって双眼鏡にどの程度重きを置くかも違ってくるでしょう。
また、こういったスペック表に現れる要素とはべつに、レンズ自体の品質の違いも結構大きかったりします。高価な双眼鏡はやっぱりクリアに見えます。使っていてストレスが少ないんですね。
新しく買うかは分かりませんが、現在8×21の安い双眼鏡を持っているので、もし買うならランクアップするつもりで8×32くらいのまあまあな品質のものが欲しいかな。
ニコンのモナークとかいいですよね〜。でも高いですよね〜。
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双眼鏡は、強度も大切です。両眼視するので衝撃を与えると左右の光軸が狂って物が二つに見えたり、頭が痛くなります。高額の物は丈夫に作られていますので、それなりの価値があります。(中のプリズムの角度が変わるため)
とは言いながら、実猟では衝撃を与えることもあるので、安いものを消耗品としてどんどん買い替えるという選択肢もあります。
野外で使う双眼鏡は、防水が必須です。ニコンの防水双眼鏡は、以前は中に乾燥させた窒素が入っていました。結露を防ぐためです。最近の双眼鏡を販売していないので今のは不明です。
携帯には、単眼鏡という選択肢もありますが、種類が少ないです。
私は現在は双眼鏡は持参しません。島の狩りという事で遠くを見ることがあまりないので、装備品の重量を極力減らしたいためです。
それでも、遠方を観たい場合は、コンデジの望遠を使って撮影し、更に画像を拡大してみています。何度か落として傷だらけで、現在は3代目です。
カールして伸びるタイプのストラップをお勧めします。
コンデジですか! その発想はありませんでした。
Nikonの防水双眼鏡良いですよね〜。ちょっと予算オーバーなんですが、実は欲しかったりします。
「丈夫な良い奴が欲しい」という気持ちと、「ガンガン使えて、傷ついても気にならないものが欲しい」という気持ちが、まだ交錯してます。笑