〈milestone〉もうヘッデンはこれでいいじゃん〈MS-G2〉
みなさんは狩猟にヘッデンなどの光源を持っていきますか?
スタイルや、行く山によって意見は様々だと思います。ぼくは山に光源1つも持たずに行くってのはちょっと気持ちが悪いので、基本的に持っていくようにしています(流し猟だったり、最初からあまり深く歩かない前提なら持たないこともある)。
やっぱり狩猟って予想外の出来事が起きるものです。遭難だけじゃありません。日暮れのちょっと前に、絶好の獲物が出てくるかもしれません。回収、解体、下山……。暗闇の中、すべてを安全に終えるのは難しいでしょう。
——で、思ったんです。
「そもそも持って行かない理由ってなんなのか?」
そりゃ、重さと嵩張ること、です。感じないくらい軽くて、どこにもで入るコンパクトさだったら、「持って行かない」という判断はしません。
というわけで、しばらくヘッデンを買っていなかったし、買い替えることにしました。
そもそも最近はヘッデン業界をリサーチしてなかったので、あれこれ探して辿り着いたのが、今日ご紹介するmilestoneのMS-G2です。
まじで「ヘッデンを持たない理由」を見失うコンパクトさで、しかも頼りになるバッテリー&光量なんですよ。
こりゃ良いもの見つけたなって思っています。
milestone MS-G2
バッとスペックの要点を見ちゃいましょう。
明るさ | 最大400ルーメン |
電池 | 内蔵 リチウムイオンポリマー充電池 |
電池寿命 |
8灯点灯時:2〜8時間(光量100〜10%) 4灯点灯時:4〜14時間(光量100〜10%) |
充電方式 | USBケーブル(micro-b) |
防水機能 | IPX4(防沫形) |
本体質量 | 28g / 46g(ベルト込み※やまくじ調べ) |
誤操作ロック機能 | あり(2秒長押し) |
上記のデータの一部は公式サイトには掲載されていませんが、商品と同梱されていたカタログやマニュアルに掲載されていたので、すべて公式情報です(ベルト込み質量除く)。
上記スペックの解釈は後半でやるとして、まずはザッと商品を見ていきましょうかね。
商品を上から見るとこの通り、ボタンが1つあるだけです。基本的にはこれをポチポチ押すことで点灯モードを順繰り変えていき、長押しすると光量が無段階で上下する形になっています。操作はすごく簡単。
こうすると大きさのイメージが伝わりますか? 結構小さいです。ちなみにベルトも本体も質感がすごくいい。軽量さを維持しつつ、最善の質感なんじゃないかな〜、と感じました。たとえば重くなって良いなら、さらに剛性の高いガシッとした作りにもできるけど、それじゃ目的が違ってきちゃいます。ただ、ここで言いたいのは「軽い分、剛性感なくて、やすっぽくて、華奢なんじゃないの?」って心配はしなくていいってことです。
付属のクリップはこんな感じで装着します。ここではベルトとクリップを両方つけていますが、クリップしか使わないなら、もちろんベルトは取った方がいいでしょう。ただ、じつはクリップをつけたままでも、ヘッデンとしても使えるんです。頭に直接つけると、クリップによる異物感ありますが、帽子の上から装着するなら大丈夫。
ぼく個人的にはクリップは使う予定はないです。
実際に重さを量ってみました(写真が見えにくくてすいません)。公式値通りの28g。
ベルト込みで46g。
かなりコンパクト……だけど使えるの? スペック解釈
ぼくのヘッデンの知識って10年以上(15年以上……)古くて、この手の小さいヘッデンって、正直「使えない」イメージだったんです。バッテリーは持たず、明るさもいまいちで、ただの予備、メインにはなり得ない。そんなイメージ。
ただ、こいつは結構優秀なんですよ。
というわけで、スペックを解釈していきます。要するに明るさと点灯時間をどう理解するか、ですね。そのために、まずは基本的なモードの説明をします。
【モード】
このヘッデンにはクールホワイトとナチュラルカラーの2種類のLEDが4灯ずつ、合わせて8灯のLEDが入っています。基本的な点灯モードとしては
- 8灯モード(クール&ナチュラルMIX):最大400ルーメン
- クールホワイト(4灯):最大230ルーメン
- ナチュラル(4灯):最大?ルーメン(公式記載見つからず。恐らく200ルーメン弱?)
という3種類(さらにレッドモードや点滅モードもありますが、この記事では省略)があります。
【明るさ調整】
明るさは各モードの中で10〜100%の光量を無段階調整可能です。長押しで段々明るく、段々暗くと調整できるタイプです。
【実際の用途と明るさと点灯時間】
ライトはついつい最大の明るさで選んでしまいますが、じつはあんまり明るい光量っていらないんです。光の広がり方で明るさの受け取り方は変わるので「○○ルーメンがあればOK」と言いがたいのがもどかしいんですが、誤解を恐れず思い切って、ぼくの感覚を書くと——
夜間行動用 | 100〜150ルーメン |
キャンプ地での活動用 | 50ルーメン前後 |
テント内での書き物など | 20ルーメン前後 |
こんなもんで十分だったりします。もちろん、瞬間的には「あ、遠くを見たい!」って場面はあって、グッと明るいモードを使うことはあります。迷いやすい道、足場の悪い道、ルートを遠くまで先読みしたいときなどね。でも、平常時の行動用なら200ルーメンもいらないかな、というのがぼくの感覚です。
キャンプ地が決まって、寝床ができてしまえば、あとはヘッデンなんて手元&足下を照らしてくれればいいので、明るさは全然いらない。焚き火してたりすると、ヘッデンは消してる時間も増える。オシッコするときにつけるくらい。
というわけで、上記の用途に対して、点灯時間(の理論値)を当てはめると——
夜間行動用 | 100〜150ルーメン | 9時間程度(4灯時50%) |
キャンプ地での活動用 | 50ルーメン前後 | 11時間30分(4灯時25%) |
テント内での書き物など | 20ルーメン前後 | 14時間(4灯時10%) |
こんな感じで、ぼくは捉えています。これを元にシチュエーション別にイメージを深めてみます。
①狩猟で帰りがちょと遅くなっちゃった……
夜間行動として9時間程度使えるので、まったく問題ない。場面に応じて最大400ルーメンまで明るくなるので、ちょっとした難所や、迷いやすい場所での先読みにも十分。仮にもっと明るく、4灯最大の230ルーメンを使っても4時間使えるので、狩猟で入った山から出るのには十分。
②日の入り直前に獲物を獲っちゃった……
解体では50ルーメン程度をベースに使うとするなら、11時間30分もつので、ほとんど時間を気にする必要はない。
50ルーメンで、2時間かけて解体しても理論上のバッテリー使用は17%程度。残り83%とすると、帰路に100ルーメンで7時間30分程度は使える計算。帰り道に不安を感じて、230ルーメンをベースにしたとしても、3時間以上使えるので、普通は問題ない。
③ビバークしなくちゃいけないことに……
なんらかの理由で日の入りを迎えてしまい、下山せずビバークすることになった場合、暗闇の中で1時間かけて安全な寝場所を探し、2時間かけて焚き木を集め寝床を作り、その後は静かに停滞する、という想定でいくならば、100ルーメンを1時間程度(バッテリー11%使用)、その後はキャンプ地回りで5時間ほど20〜50ルーメンで過ごす(バッテリー40%弱使用)形だろうと思います。
となれば、軽々1泊いける計算です。理論値的には2泊でもいける。ちょっと節約意識をもって使えば、3泊でもいけるんじゃない?
というわけで「これでいいじゃん」という満足感。
おなじmilestone社より、もっと大容量のヘッデンも出ており、用途に応じて選べばいいと思いますが、正直、このMS-G2は「とりあえずこれは買えばいいじゃん」という印象です。
たとえば夜間行動を前提にした登山などで、もっと大容量で明るいヘッデンを使いたいのはわかります。そういうときの「予備」として、28gのMS-G2は優秀すぎる。予備ならメイン機のベルトを使えばいいので、本当にベルト抜きの28gです。単三乾電池でさえ1個24gあるんです。予備の電池を持って行くより、MS-G2を持って行く方が合理的ですよ。
とりあえずMS-G2を持っておいて、それ1つで行くも良し、その日の計画に応じて容量の大きいヘッデンを追加するもよし、キャンプが前提なら小型ランタンを追加するもよし、フラッシュライトを追加するもよし、って感じです。
USBで充電できるので、スマホなどの充電用にモバイルバッテリーを持っているなら、そこで充電もできます。点灯時間はいくらでも稼げる。
というわけで、なんか最近のヘッデンって進化してるんだなー、milestoneすごいなー、MS-G2ってすごいなー、というお話でした。
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