これから狩猟を始める人に伝えたいこと
自分もまだ狩猟界隈では初心者枠にいるんですが、それでも5年ほど続けてきて考えている「これから始める人に伝えたいこと」を挙げていこうと思います。ちなみに技術論ではないですし、そんなもんはあとからついてくる。
1.狩猟免許・猟銃の所持許可は早くとれ
始めるかどうか迷ってるなら、まぁどうぞ迷っていてください。でも「絶対に始める」と決めているなら、四の五の言わず、さっさと手続きを始めましょう。
というのも、狩猟免許やら猟銃の所持許可はいつでもとれるものではなく、地域によっては年に数回しか試験がないなんてこともあります。猟銃の所持許可は警察での手続きが長くかかり、半年くらいは普通にかかります。
猟期は冬なので、8月くらいに手続きを開始すると、この冬に間に合いません。来冬まで1年はお預けになります。なので、さっさと手続きを済ませておいたほうが吉です。
2.最初から「孤高の人」を目指さない方が幸せかもね
「人付き合いが面倒」っていう人いますよね。ぼくもそうなんで、よーくわかります。嫌いじゃないんですが、精神力をだいぶ使うので、疲れちゃうんです。
とくに猟友会に関しては「猟友会はめんどうだぞ」という趣旨の情報が出回っていることから「関わりたくない」と最初から決めている人も少なくないです。別に猟友会の回し者ではないので、入るも入らないも自分で決めればいいと思いますが、いざ狩猟を始めるとなんだかんだ人の助けが欲しくなったり、情報交換をしたくなったりするものです。
だからいきなり「おれはすべて1人でやる」と決め打ちせず、猟友会でもいいし、そうじゃない関係でもいいので、狩猟仲間はいた方が幸せだと思います。
表向き「孤高の人」って感じでやっている人(たとえば、とある有名な単独猟のハンター)も、じつは猟隊に入って巻狩をやっていたり、狩猟仲間と一緒に山を歩いたりしているものです。
猟の話をしたり、軽く相談し合える仲間がいると安心ですよ,って話。
ぼくもそういう仲間がいて、一緒に猟に行くわけじゃないけど、「これ買おうと思うけど、試した人いる?」とかみんなで共有したりしてます。
3.長年やっている人=教わるべき人、とは限らない
猟のイロハを誰かに教わるのは良いことだと思います。が、しかし、強調しておきたいのは「歴の長さ」だけで信頼しないこと。
猟の技術1つ見ても歴が長いからうまいとは限りませんし、それ以前に狩猟のマナーは歴の長さとはまったく無縁に決まります。歴が長かろうが、短かろうが、マナーの良い人もいれば悪い人もいます。
あれ? と思う人とはスルリと距離を置くのがオススメ。
4.やりたくないことをやる必要はないけど、最初から絞りすぎない方がいいかも
「こういう猟をやりたい」という最初の思いが強いと、それ以外のことはまったくやらなくなる人もいます(ぼくもそう)。
もちろんやりたくもないことをやる必要はありませんが、ちょっと視野を広く持って、いろいろやってみるのもいいものです。
たとえばぼくで言えば、基本的に単独猟ばかりですが、カモ撃ちとかは1人にこだわっていませんし、たまに人と大物猟に行ったりもします。そこから学ぶことも多いです。
5.獲物はそのうち獲れるから
単独猟にせよ、グループ猟にせよ、なかなか獲物は獲れないものです。
巻狩でも初年度は1度も発砲していないまま終わる人もいますし、撃ったけどかすりもしない人もいるでしょう。単独猟でも同じこと。
でも、そのうち必ず獲れます。ふとしたときに「だれでも獲れる簡単なシチュエーション」に出会っちゃうものです。だから何回ボウズが続いても、懲りずに「次回かもな〜来月かもな〜」くらいにのんびり気長に取り組んだ方がいいです。
6.でもすぐには獲れないし、すぐ獲れる人がいても焦るこたぁない
いつか必ず獲れますが、まぁ、やっぱり時間はかかるものです。グループ猟だと猟隊によりますね。初心者に獲らせてやる猟隊もあれば、初心者は獲れないところに立たせる猟隊もあるようです。
単独猟だと獲物に出会うまでに時間がかかりますしね。
かと思えば、1日目に獲っちゃう人もいるんですよ。同じ年に始めた人がいきなり獲っちゃたりして、「これはもしや腕の違い」と焦るかもしれませんが、大抵は違います。運の違いです。もちろん、運を手繰り寄せるための努力は必要だし、それをしている人は強いです。でも、いくら努力しても獲れないときは獲れないし、獲れるときは獲れるのが猟です。運から逃れることなどできないのです。
とくに初心者ほど運の要素が強いです。そりゃそうですよ。積み重ねた経験値は皆無ですから。
だから、周りの猟果に焦らず、自分のペースでやりましょう。
先に獲った人が偉いってもんでもないです。
自分と自然だけの世界
狩猟は突き詰めていけば、自分と自然だけの世界になっていくと思っています。
なんというか、誰かと比較する必要もないし、誰かの視線を気にしてやるものでもない。自然に対して胸を張って取り組めばいい。
そう思っています。
だからこそ——というほど論理的に筋が通っていないように思うかもしれませんが——ときどき信頼できる猟友と「おまえはどう?」といろいろ情報交換することも大事だと思っています。自分と自然の中で取り組むと、段々と視野が狭くなっていくこともあって、それを時々こじ開けて、目ん玉を広げることも大事なんです。
同じ理由で本や雑誌もおもしろいです。学ぶってほどお堅い話でもなく、「へ〜この人はこうなのね」と他人事のように読んでおけば良い。それがなんかふとしたときにヒントになったりするものです。
狩猟はおもしろいですよ。ほんと。
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