考えることさえ放棄させる無敵のガソリンストーブ、SOTOストームブレイカー
アウトドア用のストーブで愛用しているものはいくつかあれど、その中で圧倒的な無敵さを誇るのがSOTOのストームブレイカー。
あまりの無敵さに、内心では「安易にこいつを持ち出すのは軟弱者だ」とさえ思っている。
アウトドアで使用するストーブは一長一短
ぼくが山で使う調理用のストーブはいくつかある。実際によく使うものは——
- 【ガソリン】SOTOストームブレイカー
- 【ガソリン】スベア123R
- 【アルコール】 フレボR
- 【焚火】79式算盤火床
ガスストーブも持ってるけど、最近はまず使わなくなった。便利だけどね。おもしろくないというか、昔は散々使っていたので飽きたのかもしれない。
この中から、用途や天候に応じて選ぶ。のんびりできるなら焚火台を、サクッと、でもちゃんと料理したいならガソリン、湯を沸かす位のシンプルな用途ならアルコールといった具合だ。実際には他にもいろんな要因があるんだけど。
どれも一長一短があって、決して無敵ではないのだけど、その中でSOTOストームブレイカーだけは圧倒的な無敵さを誇ると思っている。欠点と言えば「少しかさばる」くらいのもの。
どれもある「こんなときは苦戦する」場面
たとえばスベア123R。これはガソリンなので、厳冬期でも火は付く。でもね。火力が弱いのよ。今どきのストーブとしてはやっぱり弱い。1400Wとのことで、ストームブレイカーの3500Wと比べても半分以下。
普段の気温ならいいんだけど、氷点下15度クラスになってきて、かつ強風で……となると目も当てられない。もちろん風の当たりにくい場所を選び、風防をうまくつかって熱を逃がさないようにして工夫すれば使える。だけど、実際にやってみるとなかなか苦戦する場面も少なくない。
たとえばテントを張って、その中で使うような感じならいいんだけどね(危ないので超自己責任)。
さらに言うとプレヒートをしなくちゃいけなくて、それが寒くて強風の中だと苦しい。火が逃げちゃってなかなか暖まらない。
んで、アルコールストーブはそもそも火力が弱いし風にも弱い。今どきのアルストはよくできていて、弱いと言っても昔ほど弱くはないので、だからこそ実用できる「道具」として見てはいるけど、どうしたって弱いもんは弱い。仕方がない。だから湯を沸かして終わり、というようなシンプルな用途がメインになるかな。炊飯とかも稀にやるけど。
そんな中で無敵なのがストームブレイカー。
風、寒さ……まったくこわくない。プレヒート不要のポンピングなので、30秒くらいの手間はかかるけど、言い換えればそれだけ。それさえやれば強風でも割と普通に火が付く。むしろ着火に使うライターの側が風で消えちゃって困ることがあるくらいのもの、ガストーチ式のライターを使うか、ちょっと手で風を遮ってやればスムーズだ。
一旦火が付けば火力も強いし風にも強い。今のところダメだったことは1度もない。
考えることを放棄する
あまりの無敵さに考えることさえしなくなる。
ほかのストーブだと「よし、メシを食おう。でも風が強いから、できれば北西側の斜面の針葉樹林帯にでも入り込みたいな」とか考えるようになる。それでも苦戦するようなら「ザックを置いて風を防ぐか……ダメならタープでも張るか」となったりもする。そもそも出発時に「今日は寒くて風が強いから、最悪火を通さなくても食えるものを選ぶか……」なんて具合に予防線を張ることもある。
アウトドアってのは基本的にこういう創意工夫や予防線が大事だし、だいたいそれがおもしろいのよ。
一切こういう工夫がいらないなら、それってもはや家にいるのと変わらない。つまみをひねれば火が付いて、寒ければ暖房を入れて、雨が降っても気にせず寝られる。それって家なのよ。アウトドアではそういう便利さを捨てて軽量化し、荷物を減らし、その分グイグイと山を行動するのがおもしろいわけ。ただのスペック中毒のような軽量化は不要だけど、やっぱり「今日は長く歩くぞ」となると、軽くしたくなるし、メシにかかる時間がもったいないときはそれを短縮できる道具を選びたくなる。
でもね〜、ストームブレイカーは無敵すぎて「コレ持ってれば工夫しなくてもOK」みたいな気持ちになる。
「風が強いな〜」→「まあいいかストームブレイカーだし」
「かなり寒いぞ」→「大丈夫だなストームブレイカーだし」
アルストに比べりゃ重いので、それが唯一の救いかな笑。それでもストーブ本体と燃料ボトルを合わせても330g。あとは入れる燃料次第だから、アルストと比べてもせいぜい200gちょっとの違いしかなかったりする。
あとは値段か。安くはない。Amazon価格で燃料ボトルを入れて2.5万円くらい。
できるだけ「本当に必要な場面」でしか持ち出さない
ぼくはけっっっっっっっっしてストームブレイカーをディする気はない。むしろあがめ奉る勢いでありがたがっている。神棚にでも飾って毎朝拝みたいほど気に入っている。
でもね、いっつもコレを持ち出してたら工夫することをしなくなるから、よっぽどサボりたいときと、本当に大変な場面で失敗が許されないときしか持ち出したくない、と思うようになった。
それくらい信頼度が高い。
いつもこれを使っていたら軟弱者になっちまう。
——と言いつつ、数日前に軽い山菜狩りで持ち出して、あまりの簡単さに半分昼寝しながらメシを食った。
嗚呼、幸せな堕落。
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