テンカラしながら雨の渓流探索
不意に丸一日の時間ができた。さぁ、何をしようか……。
地元の山を探検するのもよし、山菜探しをするも良し、流し猟に出ることもできるし、登山もできるし、釣りもできる。
やりたいことは山ほどあるけど、山に行くこと以外は考えられない。「冒険」がしたかった。
知らない山の知らない沢へ
結局、釣りにいくことにした。釣りって冒険なの? そう思う人もいると思うけど、ぼくはすべての行為が冒険になり得ると思う。
ぼう‐けん 【冒険】
危険をおかすこと。成功のたしかでないことをあえてすること。「―するだけの価値はある」「その企画は―だ」
ぼうけん‐しょうせつ【冒険小説】広辞苑 第七版
人類未踏の地に立つことも冒険だが、すでに誰かが立った場所に、別のルートから、あるいは別の方法でアプローチするのも冒険だ。
さらに言えば、人類とかそんな大袈裟なことを抜きにして、「自分が立ったことがない場所に立つこと」も冒険だと思う。自分未踏の地。
手のひらサイズの冒険。
そこでぼくは「まったく知らない山域の、知らない沢を探り、釣りに適した沢を見つけていく」という冒険に取り組むことにした。たぶんネットで探せば「○○沢ではヤマメよりイワナが多い」みたいな情報は出ていると思う。だけど、あえてそれを見ない。見たものは地形図と釣り規制の情報だけ。
地形図、林道、沢
地形図を手がかりに林道と沢に目星を付けていった。しかし地形図だけじゃ分からないことが多い。
幸い、狙っていた場所は山ほど林道と沢があったから「どれかはいけるだろう」と高をくくっていたが、1つ目の沢は水量が少なすぎて釣りにならず、2つ目の沢は林道が荒れていて不安を感じ断念。
幸先が悪く心が折れかける。
一転、3つめに入った沢は水量も多く、入渓も簡単。さっそく用意して入ってみるとすぐに小さなヤマメが食った。毛鉤を投げると10cmそこらの小さなヤマメがかかってしまい、サイズアップできないまま少し釣り上がったところで脱渓しやすそうな場所を発見。キリが良いのでひとまず抜けることに。
2つめの沢
2つめの沢も相変わらずミニヤマメが釣れる。ニジマスも混ざっていたりする。ニジマスとヤマメの混血っぽいのもいる。学術的なことは分からないのだけど……。
なんにせよサイズは小さくせいぜい上の写真のような15cmくらいのものばかり。数は釣れるので気持ちとしては楽しいのだけど、キープサイズが出てこない。
休憩にコーヒーを淹れる。予報が雨だったので、焚火台などは使わず、アルストのみ。風さえなければアルストが好きだ。
3本目の沢へ
3本目も沢に入る。地形図を見るとかなり奥深い。懐の深い渓流に見える。
やはり小さなニジマスやらヤマメが釣れるが、これまでに比べると少し大きいように見える。そのうち小さな深みを見つけて、しつこく粘っていると、8寸弱のニジマスがかかった。
その後も、7〜8寸程度のニジマスが2尾釣れて、脱渓。
本当は釣れたら食べるつもりでいたのだが、雨がひどくなっていたのと、時間的にもキリが良かったので、すべてその場でリリースして、終わりとすることに。
難所もあったが、思ったよりもうまくいった
途中つるつるのナメ滝があり、つかみ所も少なく苦戦した。高巻きしようと思ったがそれも笹藪が濃い上に傾斜もキツく、その気にはなれなかったので、どうにか身体を濡らしながら(雨で濡れていたけど)登りきった。
魚はどの沢にもいたし(小さかったけど)、どこも入渓脱渓がスムーズ。きっと週末なら釣り人も入っているのかな、と思う。それっぽい痕跡もあったので。
一般的には冒険でもなんでもないのだけど、自分的には冒険。
それが楽しい。次回は3本目の沢を源流まで釣り上がってみたいところ。
ちなみに釣りの様子は動画にもしましたので、ご覧ください。
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