初めて流し猟を体験してみて気付いた10のこと

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少し前にGuns&Shooting Vol.17に寄稿する記事の取材のため、某ハンターさんに同行しました。取材の骨子はロングレンジシューティングですので、ぜひ紙面でご覧ください。

記事ではロングレンジを軸に書いていますが、実はわたしにとってこの取材が初めての “流し猟” でした。そのときにわたしが感じた “流し猟” のあれこれをメモしておこうと思います。

初めての流し猟の経験をメモしているだけなので「もっとこういう視点・考え方もあるよ」ということがあればぜひ教えてください。

1. 短時間でもできる

猟場までの移動時間を除けば、1時間しか時間がなくても出猟できるでしょうね。

たとえばですが、猟場まで30分かかるとして、朝5時に家を出て、5:30に猟場着。日の出とともに流し猟開始。2時間流して7:30。帰宅すると8時。このあと出勤もできそうですね。

フリーランスの人なら朝と夕方に1〜2時間ずつ出猟するようなこともできます。

 

2. 意外と近場でできる

わたしの環境では、という話ですが、忍び猟に比べて近場でやれることに気が付きました。

忍び猟は歩く猟なので、それなりに歩ける広さの山が必要になりますが、流し猟だともっと狭い山域や牧草地、あるいは道路脇に続く丘など、シカさえいればやれます。

たまたまわたしの住んでいる場所から忍びをやりやすいところまではちょっと時間がかかるんですが、流し猟という視点で見てみると、結構近場でやれるようでした。スタイルが違えば猟場も違うんだな、という気付きです。

 

3. 車で過ごす時間が長い

当たり前ですが、1日流し猟をやれば、1日中車の中で過ごすことになります。

山で過ごしている、というよりも、ドライブ的な楽しさですね。

 

4. 流し猟にもいろいろスタイルがあるようだ

「流し猟」とひと言でまとめてしまっていますが、人によっていろいろスタイルがありそうです。

  1. 山の林道の流し猟
  2. 牧草地の流し猟
  3. 一般道での流し猟

1・2はわかると思いますが、3はイメージとしては林道には入らないで、山に近い一般道を流すのを指しています。まぁ、このあたりは言葉の定義の問題ですが、わたしはなんとなくこの3つで捉えています。

流し猟をやる人の中でも「林道が好き」みたいな好みもありそうですね。

 

5. 下見的な効果も感じる

忍び猟メインのわたしとしては、猟場の下見的な効果を感じました。

雪が積もって本格的な忍び猟シーズンに入る前に、流し猟をしながらシカの動きを探るようなこともできるし、林道の状況を把握するのにもいいですね。

もちろん忍び猟の下見をするならば山を歩くのが筋だと思いますが、広く探るのには効果的ですね。

 

6. 山を歩きたくなる

忍び猟好きのわたしとしては流し猟に同行していて、「この尾根の向こう側が見てみたい〜〜」と思うことしばしば。

やっぱり山を歩きたい人なんです、わたし。

ひとりで流し猟をしていたら、たぶん「車を降りてちょっと歩く」ということを頻繁にやると思いますね。そういうスタイルで取り組んでみるのもいいかもしれませんね。

 

7. 同行しやすいから、初心者の体験に良い気もした

ほかの猟のスタイルに比べて初心者が同行しやすいと思いましたね。なにしろ車に乗っているだけなので、ハンターを邪魔しないわけです。

一緒に車に乗せてもらって、先輩ハンターがどういう場所を見ているか? なぜそこを走るのか? 実際に獲物を見つけたらどうやってアプローチするか? どうやって撃つか? そういうことを学べる良い機会ですね。

車の中では普通に喋ることができるので、いろいろ分からないことを質問することもできますね。

 

8. 1人よりも2人だと心強い

1人でもやれる猟ですが、2人いると何かと心強いですね。

まず獲物を探す目が多い方が有利です。そして獲物を見つけた後も、射手が発砲準備をする一方で、もう1人が獲物の同行を追ったり、測距したりしながらサポートできるわけです。

もちろん回収でも人が多い方が有利ですからね。

 

9. ピックアップトラックが強い

流し猟は道路近くで捕獲するので人の目が気になります。捕獲したらサクッと回収して立ち去りたいものです。

というわけで、ザクッと獲物を積めるピックアップトラックは有利だと感じました。

 

10. 一般の人から見られることが多いので注意

道路沿いで捕獲をするので、人の目は気にしたいですね(路上発砲という意味ではなく)。

車が来ないタイミングで撃つとか、そもそも車の通りが多い所では捕獲しないような判断が必要です。

解体や回収もあまり見られたいものではないですし。

 

ってな感じで、興味も湧きました

北海道に来る前は「流し猟はやらないだろうな」と思っていました。山を歩きたいので、忍び猟しか興味がなかったわけです。

しかし、最近では少し考えが変わっていまして、流し猟をうまく自分の狩猟生活に組み込むことができるかもしれないと思っています。

たとえば忍び猟シーズン(積雪期)前の時期である10〜11月に流し猟をやることで下見もできるし、ウォーミングアップみたいな感じになるかな、と感じています。また猟期外も駆除の依頼があるので、流し猟が有力な猟法になるはずです。

あくまで忍び猟がメインであり、そちらが自分の本分なのは変わりありませんが、流し猟から学ぶことも多そうなので、学べるものは学んでみようという気持ちです。


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狩猟やってます。ひとりで歩き獲物を追う単独忍び猟が好き。2022年からはアイヌ犬のイチを連れて一銃一狗に挑戦します。狩猟系ブログ《山のクジラを獲りたくて》運営。狩猟系の本を集めるのが趣味。雑誌『狩猟生活』『ガンズ&シューティング』に寄稿し始めました。 ヤマノクジラショップ始めました:https://yamanokujira.theshop.jp

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