狩猟をやっていて「感動する瞬間」5選
狩猟をやっていない人からすると、どうしてもテレビなんかの映像コンテンツで華々しく見えるのか、「発砲の瞬間」をハイライトのように考えている人も多いと思います。
それはそれでたしかに1つのハイライトではあると思いますが、でもそれだけじゃない! もっとおもしろい瞬間がある。そんな気持ちを込めて、わたしが感動した瞬間を5つご紹介していきます。
※獲物の死体の写真があります。気分を害される方はページを閉じるようお願いします。
1.獲物を背負って帰る途中に見た夕陽
単独忍び猟という猟法に取り組んでいるので、山にはいつもひとりぼっちで入ります。
獲物を獲り、現地で大バラシ(前足・後ろ足などをバラす)を済ませて、それを背負って下山するわけです。
肉は重いです。行きは歩けた場所が、帰りは荷が重すぎて地面が崩れて歩けないこともあります。
そんな重い肉を背負いながら歩いていて、徐々に日が暮れていく。段々と空が赤く染まる。背中には1日かけて獲った獲物の肉を背負っている。
自分が入山するときよりも、確実に1頭だけ動物が減った山。1頭分の肉を背負った自分。それを今後しばらくかけて食べる生活。獲物を獲る瞬間以上に感慨深い瞬間です。
2.イノシシを狙い通り見つけた瞬間
割と頻繁に遭遇するシカに比べて、イノシシは出会うだけでもひと苦労。
そんなイノシシを「あそこにいるかもしれない」と自分なりに読んで、そこに現れたときの感動はかなりのものでした。
いつもうまくいくわけじゃない(というか、うまくいかないことの方が圧倒的に多い)からこそ、ピタッときたときは鳥肌が立ちましたね。
3.山に入る瞬間
これはいつものことなんですが、いつも変わらず感動するのが入山の瞬間です。
わたしは朝日が昇るのとほぼ同時に山に入ります。あまり遅く入るとタイミングを逸した感じがして、感動がないので、朝イチではいるのがかなり重要なポイントです。
日の出の時間に山に行くと分かりますが、日の出前の時間はまだ山も静かです。鳥もあまり鳴いていないし、音が少ないんです。ところが日が昇ると、途端に鳥が鳴き動物たちが動き始めます。
その山が起きる瞬間に、たった独りでその場所にいられることは大きな贅沢だと思っています。
4.足跡を追っていてシカに追いついた瞬間
なかなか足跡を追って獲物を見つけるというのは簡単なことではありません。
まず第一に、かなり新しい足跡でなくてはなりませんし、そのうえ「その足跡が新しいものである」と判断できるだけの経験値が必要です。でないと、下手すれば何日も前の足跡を追ってしまい、いつまで歩いても追いつけないなんてことになります。
特に雪がない地域(わたしの関東での猟場)ではなおのことです。雪が降っていれば、少しは足跡の新旧も読みやすくなります。たとえば前の晩に雪が降っていれば「少なくとも昨晩以降の足跡」ってな感じで簡単に判断できます。
ところが雪がないと、本当に経験則で判断しなくてはならず、意外とこれが難しい。そもそも追跡するだけでも結構むずかしかったりします。
それでもかなり新しいと読んだ足跡を見つけ、しかもそれに追いついたとき、かなり感動しました。しかも足跡から読んでいたとおり、親子のシカ。自分の読みが当たったことを確認できる数少ない場面でした。
5.シカ笛でオスジカを呼び寄せた瞬間
これはつい最近のことです。
シカ笛を吹いて、それでもってオスジカを間近にまで呼び寄せたとき、かなり感動しましたね。結局、このオスジカは獲りませんでしたが、獲る獲らないと関係ないんですよ。感動したもんは感動したんで。シカ笛を吹いてからの様子は動画にしていますので、こちらをどうぞ。
まだまだあるなぁ。
結局、動物が好きなんですよね。
「狩猟を通して殺しているのになに言ってんだ?」と訝る人もいると思うんですが、やってる当人としては矛盾しないんです。だから獲ることにも感動するけど、撮らない場面でも動物に感動したりする。そんなもんです。
まだまだほかにも感動した場面ってあるので、折を見て振り返って書いていきたいと思います。
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