アウトドア用のストーブを燃料別に比べてみよう
山で使うストーブっていろんな燃料がありますよね。定番はガスでしょうか。ほかにもガソリン、アルコール、小枝など、なんかいろいろあるけど、それぞれの特徴ってなんだろう?
実際に使って思うことを書いてみたいと思いますよ。
みなさんの思いもぜひ教えてください。
ガスストーブ
さっそくいきましょう。
わたしが使っているのはスノーピークの『ギガパワーストーブ”地”オート』。もう、買ったのはたぶん14,5年前でしょう。少なくとも10年は超えているはずです。まったくトラブルなく現役です。
ガスのストーブはThe定番。ガスでダメって場面はもうないですね。たとえば厳冬期であれば、厳冬期用のガスを使う必要はありますが、それだけのことです。また火力については商品によるって感じです。ガスだから弱いとか強いってのはもうあんまりないんじゃないかな? 強いのが欲しければ強いのを買いなさいってことです。
燃焼音もうるさくないし、風にも強いです。
最初に買うならガスでいいと思います。むしろガスは1コ持っておこう!
でも、わたしが思うデメリットはガス缶の存在。じつはわたし、ガス缶が嫌いです。まず残量がわからない(まぁ、持ってみれば見当はつくけど)。で、残量が微妙なとき、それを持って山に行って、燃料切れになるのは嫌だから、結局は新品を持っていくことになる。すると「少し残ったガス缶」が溜まりがち。
ガスを缶から缶へと移すツールもありますが、あれも微妙に移しきれなかったりしてね〜。
——と言いながら、わたしはずっと愛用していました。最近は出番が少ないですが。
ガソリンストーブ
わたしが使っているのはスベア123R。これは往年の名器。定番中の定番。
ガソリンストーブは着火前に温めるか、ポンプで圧をかけるかしないと着火できない。ガスなら瞬時に着火して、調理開始できるのに対して、どうがんばっても数分は後れを取る。
いざ着火しても、火が安定するまでにはさらに数分かかる。
ガソリンストーブを愛用している人はそのプレヒートの数分さえも楽しんでいる。そういうゆとりのない人にはオススメできない。
そして着火したらしたで、燃焼音が凄いです。ゴオオオオってな具合に鳴ります。
手間がかかるくせに、たとえば火力調整もあまりできない。機種によってはまったくできない(できるのもある)。
でも、ガスと比べて魅力なのはガソリンは注ぎ足して使えること。山に行く前に、残量をチェックして、必ず満量にしていけばいい。ガソリンは大きな単位で買えるから、いちいちゴミも出ないし、燃料管理が楽。
そして、外気温にかかわらず使える。わたしは本気の厳冬期で使ったことはないのですが、並の冬であれば、何の問題もありません。
アルコールストーブ
わたしが使っているのはトランギアのアルコールバーナー。
燃料はアルコールなので、特徴はガソリンと近いと思っています。山に行くときは満タンに補充できます。ただモデルによっては燃料を入れて持ち運ぶ設計になっていないので、漏れることもあります。わたしのは大丈夫。
特徴はガソリンストーブと比較すると分かりやすいかな。ガソリンストーブと比べると——
火力 → 弱い
風 → 弱い
サイズ → コンパクト
火力調整 → できない
燃焼音 → 静か。ほぼ無音
とにかく風に弱いです。無風状態であれば、お湯を沸かすくらい問題ないんですが、風が吹き始めると、お湯が沸かないレベルで使えないです。だから風防を持っていく人も多いんですが、そうやって「オプションアイテム」を増やしていくと、せっかくコンパクトさがメリットの1つなのに、本末転倒に感じるんですよね〜。
わたしは風防は持たず、その場にあるものでうまくやります。
また、ほぼ必須のオプションアイテムが五徳。これも物によってはかさばります。コンパクトさを追求するならこれがオススメ。
五徳がないときは、木の棒を尖らせて、地面に3本差します。木の棒には水をかけておけば、そのうえに鍋を置いて調理しても大丈夫。長時間やると燃えますが。
ウッドストーブ
さて、この中で特徴的なのがこのウッドストーブ(英語だとトゥウィッグストーブ=小枝ストーブとも言いますね)。燃料は小枝です。わたしが使っているのはソロストーブ。
こいつは燃料を現地調達するタイプのストーブ。だから燃料管理からは完璧に解放されるというのが最大のメリット。
ガス・ガソリン・アルコールは、山に行く前に「燃料あるかな〜」と確認しないといけないけど、ウッドストーブはそれがない。個人的には燃料管理が煩わしいと思うタイプなので、本当に魅力的です。
ただ、言うまでもなく、着火には1番時間がかかります。小枝を集めて(まぁそんなにたくさんいりません)、着火して、火が安定するのを待つことになります。そして着火後も、火が消えないように小枝を追加し続けます。
着火についてはこだわりを持ってファイヤースターターとか使う人もいますが、わたしはもっぱらライターかマッチ。基本はライターです。で、着火剤として、ライターに巻いてあるガムテープを使うことが多いですね。
慣れればそれほど時間はかかりません。
が、しかし、雨の日、雨の直後はキツイです。枝が濡れているので、さらっと着火しません。技術的には雨の中で火をつけることは可能ですが、かなり手間がかかります。そして焚き火と違い、大きな火にならないので、濡れた枝を乾かしながら投入していくようなことができません。
かなり大変です。最大の弱点かな。不安なら旅館の鍋物で使われるような固形燃料を1つ持っていくと、そういう場面で使えるかも。
火力は自分次第でコントロールできます。
どれが好み?
「どれも一長一短かな」とは思うのですが、ガスだけはあまり実用上の欠点はないですね。冷静に考えれば、ガスが強いのは間違いないです。
それでもそれぞれ持っているのは、やっぱり魅力があるからですね。
ガソリンストーブのスベア123Rなんかはやっぱりあの無骨な雰囲気が魅力的だし、雪中キャンプでは活躍しました。
アルコールストーブはお気楽な場面で使うことが多かったかな。「昼食はおにぎりだけど、お茶かコーヒーは作りたい」みたいなとき。あるいはごはんを食べる予定はないけど、お茶だけ淹れようみたいな場面でも活躍します。コンパクトなので荷物にならないのがいいですね。
ウッドストーブはわたしの中では楽しさ優先のアイテムです。燃料を携行しなくて良いので、長期の山行に役立ちそうですが、本当に長期なら、焚き火した方が荷物も減るし。むしろ日帰りか1泊くらいの山遊びで「焚き火するのは大袈裟だけど、それっぽい楽しさを満喫したい」ってな場面で生きてきます。
みなさんはどれが好きですか〜?
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