初猟期へ:「こうでなくてはならない」からの脱却
初めての猟期を迎えるにあたり、本やブログを読んで、あれこれと準備している人も多いと思います。そうするといろんなアドバイスがあって、「これが絶対必要なんだ」という気持ちができあがってくるものですが、それって本当に必要でしょうか?
もっと軽い気持ちで取り組んでいいと思いますよ。
いくつか例を挙げて、「こうでなければならない」を払拭してみようという試みです。
「剣ナタとか大きなナイフが必要」
わたしは剣ナタを使っていますが、絶対必要かと聞かれればそうでもないです。
小さめのナイフでもそれなりにやれます。極端な話、家にある包丁でもいいのではないでしょうか(包丁はシースがないので、安全に携行する方法は考えましょう)。
この手の大きなナイフは割と高価で、軽く数万円はします。余裕があるときに買えばいいと思いますよ。
「解体ナイフが必要」
これも携行する方法さえあれば包丁でいいですし、買うならモーラナイフでOK。モーラなら3,000円でおつりが来ます。
特別な「ハンティングナイフ」的なものはなくてもやれます。
「スパイク長靴が必要」
なくてもやれます。
安全に歩けるならハイキングシューズとか、普通の長靴でもOK。スパイクがあった方が歩きやすい場面もありますが、スパイクがないと歩けないような場所にいかなきゃいいだけです。あるいはひつようがあれば、ゆっくり安全確保しながら歩けばOK。
わたしも基本は登山靴。山によっては軽アイゼンを使いますが、それも使わないことも多いので、結局はスパイクなし状態です。
巻狩に参加する場合は猟隊の先輩の判断を仰いでもいいかもしれません。たとえば沢をガンガン渡る場合は「長靴の方がいい」ってこともあるかも。
「鉄砲は○○でなくては!」
なにを獲るにせよ、どの鉄砲でもだいたいやれます。
ハーフライフルで散弾を撃つのはあまりオススメできないし、絞りのキツイ銃でスラッグを撃つのも危険。ということで、ここは素直に銃砲店に聞きましょう。
「この銃で、こういう弾を撃ちたいのだけど大丈夫でしょうか?」
撃てるならやれます。まぁ、もちろんボルト式でカモ撃ちなどは楽じゃないでしょうけれど、やれるかやれないか、と聞かれればやれます。
「ハンティングベストを買わないと」
たしかにかっちょいいハンティングベストが売られていますし、欲しくなります。
でも、猟友会のベストでも猟はやれます。っていうかかなりの数の人がやっています。
「ハンティングウェアを揃えないと」
いらないいらない。気温に応じた、動きやすい服装なら何でもOK。
寒い地域では防寒だけは気をつけましょう。あえて言えば、汗をかいたときに冷えないように「良いインナー」くらいは持っていてもいいと思ったり……。でもそれだってなくても大丈夫。
「双眼鏡はいるんでしょ?」
わたし個人的にはぜひ持っていくことをオススメしつつ、ないならないなりにやれます。
双眼鏡がないと見えないような獲物は相手にしなければいいだけ。わたしも双眼鏡を忘れていって、獲物を獲ったことがあります。
本当に必要なものは銃と弾と刃物。
本来、銃猟というものは獲物を撃って、解体するという行為です。
だから銃と弾、それに何らかの刃物がひとつあれば、ひとまず猟はやれます。
もちろん、適した解体ナイフがあればもっと上手に解体ができるかもしれません。長いナイフがあれば血抜きが楽だったり、半死半生の獲物の止め刺しが楽になるかもしれません。猟風や獲物に適した銃があればやりやすいかもしれないし、適したハンティングウェアやベストがあれば快適にやれるし、気持ちも高まるかもしれない。
でも、全部が第一日目から必要ってことでもないです。
ある猟隊に入った人が、先輩に「なにを持っていけばいいですか?」と聞いて、返ってきた答えが「鉄砲と弾と家にあるナイフを持ってくればいいよ」というものでした。その通りだと思います。
あとはやりながら少しずつ揃えてもいいし、買えるならいろいろ試すのもおもしろいです。でも「揃えなければならない」というべき論で考える必要はない。
——とわたしは言いたい。
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