猟のヒヤリハット:鴨と違って判別が簡単な四つ足だけど、落とし穴もある
カモを撃とうとすると、種類の判別が本当に難しいです。初心者は「撃っていいかどうか」を判断するのが最初の関門であり、それを間違えれば法律上1発アウトの事故になります。
「その点、四つ足猟でターゲットになる鹿・イノシシは判別が簡単でいいね〜」
とは思うのですが、落とし穴はあるんです。
カモシカが落とし穴
いきなり結論ですが、カモシカってイノシシに見えるんですよ。
もちろんはっきり見ればカモシカはカモシカ。鹿でもイノシシでもありません。
でも、条件によっては本当にイノシシに見える瞬間があります。
参考になるか分かりませんが、次の動画を見てください。先日の猟で見かけたカモシカの動画です。これは全身が見えているので、カモシカであることは分かると思います。
いまはカモシカだと分かっている状態で見ていますが、山の中で、イノシシがいそうなシチュエーションで、イノシシを獲りたいという猟欲が高い状態で、こういう生き物が遠くでバーーっと走っていたらどうでしょう?
ちょっとした藪の向こう側でこういうのがあるいていたらどうでしょう?
イノシシと見間違えますよ。
角度が変わるとさらに……
先日の猟で、藪がガサガサして、こちらは「イノシシか!?」と身構えました。
飛び出したのはまっ黒い小柄な動物。本当にイノシシだと思いました。走っていたので、どこかで立ち止まったら改めてイノシシであることを確認して撃つつもりで銃の準備をします。
しかし、走り方がどうもかったるい。イノシシはドカドカドカと力強く、まさに「猪突猛進」という感じで逃げるんですが、なんかこいつはおっとり逃げる。それに足が長い。一瞬「美脚なイノシシ!?」と思ったほど。一瞬チラリと見えた顔が白い。
以上3点の違和感から、カモシカかもしれないと思って、双眼鏡で追っていたところ、やはりそうでした。このときのカモシカは子どもでした。小柄で、逃げるときの角度がちょうど斜め後ろから見下ろすような角度。つまり足が見えにくい状態。薄暗い場所だったので、本当にイノシシに見えました。
もし、藪から出てきてドカンと撃っていたら、錯誤捕獲でしたね。
顔を見てから撃つこと
前に『自分がいつも心に言い聞かせている “狩猟の格言や言葉”』でも書きましたが、『顔が見えるまで撃つな』という格言を肝に銘じています。
絶対に錯誤捕獲はしたくないので、チャンスがあっても顔を見て、「あぁ、これはイノシシだ」と分かってから撃つようにしています。イノシシっぽいという状態は本当に危険だな、と感じましたね。
カモシカは状況によっては本当にイノシシに見えるので、ちょっと注意したほうがいいな〜、というのが今日の教訓でした。
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