撃った獲物が走ったときに、追うためにやっている8つのこと
狩猟は撃って終わりではありません。その場で獲物が倒れればいいですが、実際には少し走られることも多いもの。
この “少し走られる” というのがバカにできなくて、バイタルに当たっていても100m走っちゃうこともあります。
平地と違って、山の中では少し走られると視界から消えます。そうなると、どこに走っていったか分かりません。
血が点々と垂れていれば追うのも簡単ですが、当たり方によっては血が垂れないことも……。
やってみるとわかりますが、死んでいる獲物を見つけるのは大変です。
なにしろ動かないので、3m先にあっても、岩陰に倒れていたら見つけることができません。
というわけで、わたしなりに「撃った獲物を見つけるためにやっている8つのこと」を挙げていきたいと思います。なにかアドバイスがあったら教えてください。ほんと……。
1.GPSのマーカーをフル活用
使っているGPS機器やアプリによって呼び方は違いますが、ほとんどのGPS系ツールは「現在地をマークする」という機能があります。
ガーミン製品だとウェイポイント、ジオグラフィカだとマーカーと呼ばれていますね。
普段は地形などを記録するのに使っていますが、じつは獲物を撃ったあとにこそ、ガンガン使います。
山の中では「さっきと同じ場所に立つ」というのが思いのほか難しいんです。そして獲物を探すとき「少し戻って探し直す」という作業が頻発するので、要所要所の正確なロケーションを記録しておくと本当に便利です。
具体的にマークするのは下記のような場所ですね。
- 発砲位置
- 獲物が立っていた(撃たれた)位置
- その後、血痕や足跡など痕跡があったらすべて記録(血痕が点々と続くときは、それが途切れたときに記録)
という感じです。
今どきのGPSは条件がよければ誤差1mくらいの精度が出ます。バカにできませんよ。
余談ですが、このためにGPS機能付きの時計が欲しいとか思っちゃってます。サクッと記録して、行ったり来たりするのに使いやすいかな〜と想像しています。
2.撃ったら獲物のいた位置を記憶
わたしが初めての鹿を撃ったとき、その鹿は斜面を駆け下りて視界から消えてしまいました。わたしは慣れないものですから、撃った直後に獲物がいた位置に駆け寄ろうとしました。
そしたら意外なことに獲物がいたはずの場所が分からないんですよ。
「そんなの簡単に分かるでしょ」
と思うでしょ? これが意外と難しいときがあるんです。たとえば獲物が50m先にいたとして、慌てて駆け寄っても、正確な場所なんてすぐに分からなくなります。
「あれ、この木のこっち側? あっち側?」
なんて具合に……。で、最初の血痕が見つからないとき、血が出ていないのか、探している場所を間違えているのかが判断ができません。こうなるとせっかく当たっているのに「もしかして当たってない?」という間違った判断をしてしまうかも。
だからこそ、発砲したら「あの杉の木と、大きな岩のちょうど真ン中」などと具体的な目印を記憶しましょう。
いや、ほんと、血が見つからないとき疑心暗鬼になりますから。
3.追跡中は痕跡に目印を付けていく
血が垂れていたり、明確な獲物の足跡があったとしましょう。
そうしたら、それを追跡していくのですが、血はいつもいつも分かりやすく垂れているわけではありません。
「あれ〜次の血痕がない……」
なんてことは頻発します。そういうときは最後に見つけた血痕に戻って、改めて探し直すことになります。
しかし、先ほど書いたように山の中では「さっきいた場所」に戻るのって難しいんです。だからこそGPSでマークを付けているわけですが、長い追跡だといちいちGPSを見ながら「直前の血痕はどこだっけ?」とやるのは面倒になります(それでも記録は付けておいた方がいいと思う)。
そこでわたしは血痕があったら、目印をつけます。なんでもいいです。ちょっと離れた場所から分かる程度の簡単な目印。たとえば木の枝を地面に刺しておくとか、石を2〜3コ積んでおくとか……。
次の血痕を探しているときに「さっきのはどこだっけ?」と振り返ったときに分かる程度の目印でOKです。
ちなみに海外のサイトで「トイレットペーパーを木の枝に結んでおけば、遠くから見えていいよ」という意見を見たことがありますが、それってゴミをまき散らしてないか? と思うのでわたしはやりません。
4.双眼鏡はフル活用
本気で山の中をくまなく探そうと思うと大変です。
というわけで、双眼鏡は積極的に使います。
5.斜面は上から下に探す
山ってだいたい斜面ですよね。なので、斜面のどこかに倒れていることが多いわけですが、斜面は上から下を見た方が見つけやすいです。下からだとちょっと物陰に倒れていると見つけられません。
だから最初はできるだけ上から下を探すようにします。
6.痕跡が途切れたときは下に落ちていないか調べる
たとえば斜面をトラバースするように痕跡が残っていて、途中で痕跡が途切れたとき、もしかしたら獲物がそこで息絶えて、フラフラと斜面の下方向に倒れ込んでいるかもしれません。
地形によってはゴロンゴロンと結構な距離を転がって落ちていくことがあります。
痕跡がどうしても見つからないとき、そうやって斜面を転げ落ちた可能性を思い出してください。わたしはこれで大苦戦したことがあります。
7.先入観を捨てる
これはわたしだけかもしれませんが、「撃たれた獲物は下に逃げる」と思い込んでいました。
鹿に関しては今のところたしかにその傾向はありますが、イノシシは違うようです。先日獲ったイノシシは痕跡がまったくなくて、当たったかどうかも分からない状態。「逃げるとしたら下方向」という思い込みでしらみつぶしに探していました。ところが、獲物がいたのは撃たれた場所から70mくらい離れた「ちょっと上の場所」。
早い段階で上の方から下を眺める探し方をしていればすぐに見つかったはずです。
上下だけではなく、「向こうに逃げるはず」みたいな思い込みも危険かも。困ったときは冷静に網羅することが重要かな?
8.諦めない
一番時間がかかったのは、先日獲ったイノシシ。発見に2時間かかりました。
去年、オスジカを見つけるのに1時間かかったことも。どちらも獲物は100mも走っていません。近くに倒れていたのに見つけられないときは見つけられないものです。
まぁ、わたしのトラッキング技術不足が招いたことなので、そういうことがあるたびに反省して「次こそは」といろいろ対策を考えるようにしています。
諦めずに探すのも1つの責任かな、と思ってがんばってます。
なにかアドバイスがあればぜひ
以上がわたしなりにやっていることです。
撃った獲物の探し方に関してアドバイスがあったらぜひ教えてください。
まぁ、1番いいのは「ヘッドショットでその場で倒れて、探す必要もない」というシチュエーションなんでしょうね。それはそれ、これはこれ。
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