恵庭市で起きた誤射事件から学ぶこと

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11月20日に起きた痛ましい誤射事件のニュースは、同じハンターとして思うことも多く、ここ数日いろいろ考えてしまっています。あまりの不注意な発砲で、腹立たしくも感じるのですが、それではあまりに教訓もないので、ひとりのハンターとして、自分がこういう事故を起こさないために意識すべきことを再確認したいと思います。

はっきりいってどれも当たり前のことですが、鉄砲という危ない道具を扱うのですから当たり前のことを何度も確認するも有益でしょう。

事件のあらまし

あくまでニュースを通して理解している範囲なので、今後情報も変わるかもしれませんが、事件のあらましをまとめてみたいと思います。

ハンターは林道でシカ笛を吹いていたようです。すると林道がカーブした向こう側で “白いなにか” が動き、確認せずに発砲したとのこと。しかしそこに立っていたのはシカではなく、森林管理局の男性。オレンジのヘルメットと赤いジャケットを着ており、白いタオルを首に掛けて(頭から下げていた?)いました。この白いタオルをシカの尻と勘違いしたのではないかと報道されています。またハンターから被害者男性までは130mあったとのこと。

以下参考

猟銃誤射で49歳容疑者を逮捕 森林官死亡
タオルをシカの尻と? 恵庭市ハンター誤射死亡事故 十分な確認をしない重大な過失北海道 (18/11/21 19:22)

使用していた銃はハーフライフルと呼ばれる銃。北海道でのシカ撃ちでは一般的な銃ですね。初心者が所持できる銃の中では射程距離の長い銃になりますが、それでも100mを越えれば簡単に当たるわけではありません。わたしの感覚だと丁寧に狙い込まないと確実に当てるのは難しいと感じる距離です。

疑問点……

1.確認せずに撃てるのか?

あってはならないことですが、20m先の藪がガサガサッと揺れて、不注意なハンターが反射的に銃を構えて、ほとんど狙いもせず撃ってしまうような事故は起きることも想像できます。一般的にガサドンと呼ばれるタイプの事故です。

今回は130m先であり、パッと撃てる距離ではありません。

環境の整備された射撃場で撃つにしても、100mともなればサクサク撃てる距離ではありません。視界が悪く、しかも立射(で撃ったような報道)ともなれば、はっきり言って難しいです。先述のいわゆるガサドンのような撃ち方はできないはずなのです。

2.公道上発砲?

ハッキリとしたことが分かりません。報道を見る限り、ハンターは林道上で発砲しているようです。

もしそうならこれ自体が違法行為です。

これは情報がはっきりしていませんので、断定できませんので、あくまで「気になるコト」として挙げておきます。

3.オレンジが目に入らないのか?

オレンジのヘルメットに赤いジャケットを着ていたとのこと。

これには気付かず、白いタオルだけが都合良く視界に入り、それだけを頼るに撃つ……。かなり考えにくいことです。

<教訓>

1. スコープは双眼鏡ではない

山を歩いていると「あ! あれはシカかも!」と思う場面は山ほどあります。白っぽい石、白っぽいコケ、光の当たり具合で白く見える木……。

そういう「シカかも!?」と思ったときに双眼鏡代わりにスコープを覗くのはかなり危険です。

スコープがそこに向いているということは、銃口がそこに向いているということです。もしかしたら人かもしれないし、非狩猟鳥獣かもしれない。

スコープで確認するということは、確率的に、いつか必ず人間に銃口を向けることになります。

2. 顔を見てから撃つ

ハンターである父から「どんな獲物でも必ず顔を見てから撃てよ」と言われています。

たとえばカモシカは状況によってはイノシシに見えたり、シカに見えたりします。でもちゃんと顔を見れば、全然違う。

また、顔をちゃんと確認するという手順があると、反射的に撃つということができなくなります。

3. 見えていても藪の向こうは撃たない

藪や木が視界を遮っている向こう側に獲物がいるというのはよくあるシチュエーションです。

獲物の所々が障害物に隠れているものの、見える部分を総合して考えれば「確実にシカだ」と言いきれることはたしかにあります。

でも、その獲物の向こう側はどうでしょうか? バックストップはありますか? 人工物はありませんか? バックストップが遠い場合、獲物とバックストップの間に人がいないとは言いきれません。かなり確率は低いでしょうけど、言いきれない以上撃たないというのが、やはり安全策だと思います。

よっぽど開けた藪でそういった安全確認がばっちりならいいですが、もし少しでも怪しいのであれば撃つべきではないと思います。

4. 獲物ではないことを前提に判断する

シカを探して歩いていると、目にするものが全てシカに見えてきます。

ある意味ではシカを探す上でそういう感覚は悪くないとは思うのですが、そのまま撃つのではダメですよね。

獲物の気配を察したとき、まず「でも獲物じゃないかもしれない」という前提で考えるべきだと思います。

この前提に立っていれば、獲物の気配がしたからといって、藪に向けて銃口を向けることさえできないはず。

5. パーツで断定しない

今回のように「シカの尻だと思った」という判断はとても危険。

角だと思った……。足だと思った……。腹だと思った……。

たとえば、わたしもシカを獲った帰り道に、鹿の頭を持ち帰ることがあります。角を保存するためです。その頭は背中に背負ったりします。

さて、たとえば「藪の向こうに鹿の角が見える」という場面。それ、本当に生きているシカですか? 角を持ち帰るハンターかもしれないし、落ちていた角を拾ったハイキングの人かもしれません。もしかしたら子どもが鹿の角を拾って頭に載せて「シカだぞ!」と遊んでいるのかもしれません……。

安全対策は二重三重に……

今回の事故は、本当に確認不足だったと思っています。

130m先の、しかも視界の悪い状況……。それを肉眼でシカだと断定するのはやはり難しい。難しいなら双眼鏡などで丁寧に確認すればいい。それでも確認できないなら、撃たなきゃいい。

わたしも「獲物だと思ったら人だった」という場面こそ経験していませんが、「シカだと思ったらカモシカだった」とか、そういうことはよくあります。

もちろん、双眼鏡で確認する段階で気が付くので、銃口を向けることさえありませんが、それでもヒヤッとはしますよね。

確認をサボれば本当に大事故に繋がるものなので、サボらずきっちり確認したいものです。

痛ましい事故でした。もうこういうことが起きないと良いのですが……。

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