冬のお気楽アウトドア:漁港のイワシを釣って、南蛮漬けを作る

最終更新日

冬。好きな渓流釣りもできず、忙しくて、時間のかかる山遊びもできず、悶々としています。

「なにか気楽にできるアウトドア遊びはないかな?」

と考えたとき、ひらめいたのが「漁港でお気楽フィッシング」でした。

お気楽なアウトドアを求めて

今回、わたしがやりたかったのは「お気楽アウトドア」でした。

思いついたときにフラッと行って、フラッと帰ってこられる、そういう遊びをしたいのです。

自宅から漁港まで30分。お気楽にいける範囲ですね。しかも漁港だから足下も汚れず、駐車場からのアクセスも最高。釣り場まで2時間も歩くような渓流釣りとはちがいます。

とはいえ、実は海釣りはど素人。子どもの頃、大人に連れられてやったことはありますが、言われるがままにやっていただけで、ほとんど覚えていません。

そこで釣具店で情報収集することに。

まずは釣具店で情報収集

ネットで情報収集するも、やっぱり地域ごとに釣れる魚の違いもあるでしょうし、地元のことは地元で聞くのが1番、というわけで漁港近くの釣具店に行きます。

「漁港で気楽に釣りがしたくて……1番簡単で手間のかからない釣り方はなんでしょう?」
「手間のかからない釣りですか〜。う〜ん、トリック仕掛けで小魚狙いがいいんじゃないですか?」
「じゃ、それで」

* 知らない人のために説明すると、トリック仕掛けとは針が5〜7個くらいついていて、その1番下に重りが着いた仕掛けのこと。で、その針にアミエビ(めっちゃ小さいエビ)をつけて釣ります(この辺、付け焼き刃の知識です)。

というわけで、必要な道具を購入。

写真右がトリック仕掛けというやつ。針が7本ついています。ぶっちゃけ6本とかでもいいです。7本もいらない、と感じました。

で、写真左が魚の形をした重り。キラキラすると魚がよってくるのでいいらしいです。釣具店の人がこの重りを使って爆釣したと聞いて、買いました。安いからじゃないですよ! 一応、Amazonの同等の商品へのリンクを張っておきますね。まったく同じものは見つかりませんでしたが、これでもいいはずです。

少なくとも仕掛けは2〜3個買っておきましょう。こんがらがったら悲惨です。

で、餌です。こだわる人はこだわるところ。わたしは釣具屋に言われるがままにこれを購入。

で、「これもあると便利、っていうか無いとつらい」って言われたのがこちら。

名前の通りですが、7本もある針に1つ1つ餌をつけていたら日が暮れてしまうので、このスピード餌ツケ器に餌を入れて、その中を針を行き来させると、あら不思議。餌がついてくれるんですね〜。

というわけで、釣りのために用意したのはこれらの道具だけ。竿は20年前にバス釣りで使っていたものがあるので、それを使います。

いざ漁港へ!

朝の9時頃、漁港にやってきました。

漁港の写真を撮り忘れてしまったですが、普通の漁港です。船がいっぱい停泊していて、漁港で働く人たちは片付けモード(というか、もう人が少なくなってきています)。

猟師にとってはもう仕事仕舞いの時間です。

わたしなりに考え、堤防で囲われた漁港内と外の海との間に魚はいる、と判断。人が少ない場所を見つけて陣取ります。

仕掛けをつけ、針を垂らします。海はきれいで魚の群れが見えます。なんか青くきらめく魚が大量にいます。見る分にはキレイですが、食えるのかな〜?

その青い魚たちが仕掛けに興味を持って集まってきます。つんつん、と小さなアタリがあり、かかりました。

水の中では青かったのに、上げてみると灰色に……

これ、なんだろう? まぁ、よくわからないときは逃がすに限ります。そして数分後。またおなじ魚が……。そして数分後にまた……。

短時間で3尾ほど釣れ、なんだか気になってきました。そこにちょうど釣り慣れしてそうなおじさんが登場。突然話しかけます。

「すいません、海釣りが初めてでよく分からないんですけど、これなんていう魚か分かりますか?」
「ああ、これスズメダイだよ。ほら海の中では青いけど、釣り上げると色がくすむんだよ」
「たしかに、もうあんまり青くない。食べられるんですか?」
「どうだろうね? ぼくの周りじゃ食べる人はいないな。鑑賞魚だよね〜」

このおじさんとの出会いが、この日の釣りを変えました。

そして伝説へ!

「イワシがたくさんいるから、それ釣るといいよ。釣り方教えてあげる」

おじさんは、初心者のわたしに釣り方を教えてくれました。

「まず、コマセをまくといいよ、ほら——」

そう言いながらおじさんがスプーン1杯くらいの餌をまきます。すると集まってくる魚の群れ。

「あれがイワシだよ。餌をまいたところに針を入れてごらん」

言われるがままに餌をつけて針を垂らします。

「もっと浅いところがいいよ。そうそう。ほら、集まってきた」

そして1尾のイワシがかかりました。

「そんな感じだよ。このまましばらく釣って、群れがいなくなったと思ったら少しコマセをまいてって感じでやってれば30尾くらい簡単だよ」

(´-`).。oO(さ、30尾! イワシが30尾も釣れるのか!?)

「はい、やってみます。ありがとうございます」

おじさんに言われたとおり、コマセをまき、針を垂らすということを繰り返します。

そりゃーもう、釣れること釣れること。

針を垂らす → 5秒待つ → 釣れる、の繰り返し。

かかった魚を上げて、針を外して、また餌をつけて針を垂らすという行程に時間がかかるのがもどかしい。そこで針が沢山着いている強みを活かして、イワシがかかってもすぐにあげずに待つことにしました。

すると2尾まとめて、3尾まとめて、さらには最高4尾まとめて釣れることも。

もう爆釣です。笑いが止まりません。

もういいだろう……

クーラーボックスを覗くとこんな感じ。数えると実に44尾。

たっぷりのイワシが釣れました

冷凍保存しなければいけないほど釣るのは本意ではないので、ここで釣りは終わりとしました。時計を見ると釣りをしていたのは実質1時間ちょっと。

まずは魚の種類を特定しよう

家に帰って、まず魚の同定(種類の特定)から。こういうこともアウトドア遊びの一部です。

一応、イワシと言われたけど、自分の知識として消化するために、自分で調べて、詳しい種類を特定します。

で、調べてみたところ、トウゴロウイワシだと思われます。Wikipediaを見てみると……

海面近くを大群をなして泳ぐ姿が見られる。体長は10cm前後のものが多く、最大で15cm程度まで。カタクチイワシに似ることからイワシの名を冠するものの、分類上はボラやダツなどに近縁であり、二基の背鰭をもつ。

トウゴロウイワシ(Wikipedia)

っていうか、イワシじゃないじゃん! 笑

さらにWikipediaには……

鱗が硬質で剥がれにくく一般に食用とはされない。釣り針にかかることも多く外道として避けられるが、食べられないわけではない。寿司ネタや干物にすると美味という。
トウゴロウイワシ(Wikipedia)

とも書かれています。たしかに鱗が固い。でも、寿司ネタになるってことはまずいわけじゃないんでしょ……?

釣ったからには全部食べますよ!

調理!

いろいろ迷ったのですが、気分的に南蛮漬けにすることにしました。

トウゴロウイワシは食味が悪い、という情報もあったので、しっかりした味付けの南蛮漬けを作ることに。

頭を落とし、ワタを抜きます。すごい時間かかった……。釣るよりかかったのでは?

頭を落として、腹を抜いていくだけでもひと苦労。

固いと言われる鱗も丁寧に剥がします。

ここからは手開き(包丁を使わずに開く)します。小麦粉を挽いたバットの上に広げてみると、一気にうまそうに思えてきますね。

料理っぽくなってきました

塩・胡椒で味付けをして、焼きます。本来は揚げるのですが、面倒だったので、フライパンに多めの油を引いて、揚げ焼きします。

そして、別途作っておいた南蛮酢に放り込んで冷蔵庫へ。

実食!

なんか、適当ですいません。料理ブログじゃないので……。

本日の献立は……

  • 家にあったローストビーフ
  • トウゴロウイワシの南蛮漬け
  • 納豆
  • 玄米

です。野菜と汁物がほしいですが、今日はひとりで食事なのでサボりました。

バランスも色合いも悪いですが、玄米だから健康ってことで……

南蛮漬けはうまくいきましたよ! 味はイワシとはやはりちょっと違います。もう少し淡泊かな〜。ただ南蛮酢との相性も良くて、夜、帰ってきた妻に食べてもらったら「おいしい!」と大量に食べてました。

大 成 功 !

楽しかった〜

「お気楽なアウトドア遊び」

いかがでしたか? アウトドア慣れしていない人でも気楽に挑戦できる遊びだと思います。しかも最後にはうまい魚まで食える、と。

最高じゃないですか?


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狩猟やってます。ひとりで歩き獲物を追う単独忍び猟が好き。2022年からはアイヌ犬のイチを連れて一銃一狗に挑戦します。狩猟系ブログ《山のクジラを獲りたくて》運営。狩猟系の本を集めるのが趣味。雑誌『狩猟生活』『ガンズ&シューティング』に寄稿し始めました。 ヤマノクジラショップ始めました:https://yamanokujira.theshop.jp

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