《収支シミュレーション》狩猟の駆除費だけで稼ぐとどうなる?
北海道で駆除費だけで生きていこうと思うと、どれくらい稼げるのか? 収支をシミュレーションしてみます。
先日まで仕事で北海道に行っていました。北海道は広くて、ちょっとした移動のつもりでも「車で数時間」なんてことが多く、考え事をする時間がすごく長かったんです。
そのときボンヤリ考えていたのが「駆除の報奨金で食っていくのは辛いって訊くけど、どれくらい辛いんだろう?」というもの。ちょっと頭の体操がてら、いくつかのパターンの収支のイメージを作ってみました。
一応断っておきますが、100%机上の空論です。誰かの実例ではありません。漏れている経費など色々あると思います。あしからず。
またシミュレーションしている鹿の捕獲数も実現可能だと思っているのではなく、あくまで数字遊び的に「もしこれくらい獲れたら」という扱いです。
シミュレーションの前提条件
収支シミュレーションをする上で、前提条件をいくつか……。
- 場所は北海道とする。移動距離は長くなる可能性が高い。
- 弾はサボットスラッグの銅弾。1発500円程度。
- 使う弾の数は1頭捕獲に2発の計算。
- 銃の取得費用などは含めない。それは好きでやっていることなので、経費ではないとした(ズルい計算ですね)。
- 出猟時のお弁当代はいれない。これは生活費の一部とした。
- 射撃場での費用は極めて最低限のみを含めた。ゼロイン+α程度の費用。本来はもう少し練習すべきだと思うが……。
あと、表の中で利益とか純利益とか、決算用語っぽいのが出てきますが、正しい意味で使っているわけではなく「イメージとして」なので、そのへんは深く考えないでください。
パターン1:報奨金10,000円、300頭の捕獲

1つ目のパターンなので、丁寧に数字を見ていきます。
収入
駆除の報奨金が10,000円で、300頭の捕獲をすると、300万の収入になります。
あとで出てくるように、200日の出猟を想定しているので、1回あたり1.5頭を捕獲しなければなりません。関東にいるわたしの感覚だとかなりキツいですが、楽観的想定として、良い流し猟の猟場を知っていて、効率よく獲れたら……と想定してみました。
支出
弾代は600発(1頭あたり2発)×500円で300,000円。馬鹿にならないですね。もしこれが1頭あたり4発くらい使うと600,000円の出費となり、かなり大きな支出になります。
ガソリン代、射撃場、猟友会や保険などは表の注意書きの通りです。
装備品と車の修理代で150,000円を考えていますが、これも楽観的な数字です。たとえばスタッドレスタイヤを2年に1度変えたら、それだけでも1年あたり20,000円くらいの出費になりますし、ちょっとぶつけて修理するなんてことになれば、あっという間に飛んでいく数字です。
純利益
最後の純利益を見ると分かる通り、年収2,095,500円。
つまり、年収で言えば210万円、月収で言えば17.4万円。
パターン2:報奨金10,000円、200頭の捕獲

今度はパターン1と同じ条件ですが、200頭しか獲れなかった場合です。
諸々引いて、純利益は1,285,500円。年収で言えば約130万、月収11万ってところです。
パターン3:報奨金15,000円、300頭の捕獲

今度はパターン1と比較して、報奨金が15,000円もらえる地域の場合のシミュレーションです。
報奨金だけが増えているので、支出は概ね同じ。唯一は利益が増えた事による所得税の変化です。3倍近く増えていますね。恐ろしい!
純利益
これで年収340万、月収28.3万円となります。月収を見ると、サラリーマン並み!と喜ぶ人もいるかもしれませんが、サラリーマンは年金やら何やらを引かれているので、見かけよりも多くもらっているんですよね。
あと、ボーナスがないので、サラリーマンと比較するのはナンセンス。もし夏冬に2ヶ月分のボーナスをもらえるサラリーマンと同じ計算をするならば月収21万円、ボーナス42万円というイメージになります。
そして、これが最も重要なことですが、このシミュレーションがわたしの考え得る限り、もっとも楽観的なシミュレーションです。
報奨金の15,000円というのも、どこの地域でももらえる額ではありませんし、そもそも毎年300頭をコンスタントに獲るのって大変です。
パターン1〜3を見て
ハッキリ言って、パターン1〜3はどれも楽観的ですよ。なにしろ、一番キツいパターン2でも、200頭も捕獲してますからね。北海道の感覚が分かりませんが、200日出猟して200頭って獲れるもんなんですかね?
また、200頭獲れても年収130万って辛いですよね……。
また、1番楽観的なパターン3は報奨金1.5万で、300頭捕獲しています。200日出猟して、毎回1.5頭です。雨の日も、風の日も、吹雪の日もあります。それでも週に4日は出ないといけません。
それでようやく年収340万。
このパターン1〜3……つまり年収で言えば130万から340万という数字を日本のみんなと比較してみましょう。
日本では年収132万以下を貧困そうと呼ぶようです。つまり、パターン2の場合は貧困層にあたります。一方、日本国民の年収の中央値は270万円となり、パターン3の年収340万はそれを越えています。
参考:年収いくらからが貧困家庭?その生活や様々な経済・生活支援を解説!
まぁ、収入というのは価値観や生活観に強く依存する部分ですので、これが多いのか少ないのかは読書の想像にお任せします。
逆転の発想で「500万得るにはどうすれば良いか?」を考える
最後に、もう1つの頭の体操として、駆除の報奨金だけで年収500万を目指すにはどうしたら良いかを考えてみます。

計算してみたところ、報奨金が15,000円の地域で、450頭の捕獲で500万に乗ってきます。1回の出猟で2頭以上獲る計算です。
正直、450頭なんて獲れる気がしません。200頭だってかなりキツイですし、100頭だって実際難しいだろうと思います。まあ、あくまで机上の空論の数字遊びです。ご理解を。
終わりに
まぁ、繰り返しますが、数字だけの頭の体操です。実現性なんて考えていません。これを見て「よしやれる!」と思うのは自由ですが、オススメはしません。
また支出に関しては楽観的に捉えています。地味な話ですが、200日も出猟すると、ちょっとした出費が積み重なってきます。例を挙げると——
- 毎回500円のお弁当を買えば年間10万円の出費
- 毎回200円の行動食を買えば年間4万円の出費
- 1日あたりに移動距離が10Kmを越えるごとに年間3.2万円の出費
- 2万円の靴を2年に1度買い替えれば、1年あたり1万円の出費
いくらでも思いつきます。また、「よし、車にウィンチを」とか考え始めると、大きな出費になります。そういうものが入っていない数字だというわけです。
もし、本当にこのシミュレーションのような生き方を望むなら、少しでもいいので収入源をいくつか持っておいた方がいいかと思いましたね。不動産収入があるとか、ブログの広告費で年に100万円くらいの収入があるとか、駆除だけではなく、肉や革などを売るルートを確保するとか……(まぁ、言うは易し、ですが……)。
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