狩猟を始めるまでの中で起きた「嫌なこと」
狩猟を始めようと思ってから、1年かけて準備を進め、いまに至るまで、本当に心底楽しんでいるのですが、そりゃ、ちょっとは嫌な思いをしたこともあります。そこから学んだこともあるし、こういう人からは距離を置こうと思ったこともある。いいことばかりじゃないのがこの世の中というものです。
これから始める人も、頭の片隅に入れておいて、もし自分の身にそういうことが起きたときの心の準備をしてもいいのではないでしょうか?
あんまりブログでは愚痴っぽいことを書かないようにしているのですが、たまにはこういう話もしておこうと思います。
※また、嫌な思いをしたからといって、ネットで相手を叩こうという意図はないので、個人や組織が特定されないように適宜フェイクを入れておきます。ご了承ください。
1.「その銃砲店はだめだよ〜」
鉄砲関連の小物を買いたくて、いつも行く銃砲店とは別のお店を訪ねた日のことです。そのお店をA銃砲店としましょう。
A銃砲店の主人はわたしが初心者だと知るやいなや、「どんな銃を持ってるの?」と訊ねます。
「ベレッタの自動銃です」
「あー、それじゃダメだよ。それじゃぼくはなんにも教えてあげられないな。ほら、F1のレースに軽トラで参加しようったってダメでしょ。射撃には射撃向きの銃があるんだよ。そういう銃を持たないとね〜。ぼくが教えても分からないと思うわ。君の銃は軽トラなんだよ」
まだ「何かを教えてほしい」とも頼んでないし、そんな会話にもなっていないのです。「銃袋が欲しい」とお願いして、ちょっと雑談していただけです。だいたい軽トラの何が悪いのかも分からない。この時点でちょっと違和感を持っていましたが、大人ですから受け流します。
「まぁ、狩猟をやろうと思ってるんで、この銃で良いんです。もちろん射撃も練習しますけどね〜。そのうち射撃用の銃も考えますよ」
「射撃を後回しにしてもいいことないよ。ま、わたしは知らんけどね。で、どこで買ったの?」
「○○銃砲店です」
「あ〜あの店ね。あそこはダメだよォ。知ってる知ってる」
正直ここまで聞いて「もうこの店を出よう」と思ってました。
「いいんです。ぼくはお世話になっていて好きな店なんで」
「うちで買うなら、良い射撃用の銃があるよ。ぜんぜん違うからね。うちに任せておきなよ。たとえば——」
と店の主人は銃を見せようとしてくれますが「いまは買いませんので」とお断り。適当に話を切りあえげて店を出ました。2度とその店に行くことはありません。
わたしはお客様は神様だなんて思わないし、銃砲店の人はみなさんベテランで、経験値もあり、教わることばかり。はっきり言って、頭が上がりませんよ。だから「俺は客なんだから、もっと下手に出ろ」なんてまったく思いません。
だけどね。どうしてこうも上から目線なのか? 実はこのお店での会話は他にも何個も失礼なエピソードがあって、最後に上の会話になったんです。
自分的に決定的に嫌だったのが、わたしの行く店を悪く言ったこと。同業者を悪く言うお店は嫌いですし、自分が使っている銃を頭ごなしに否定されるのも気分が悪い。
2.切り株を撃て!
これはかなりフェイクを入れておきます。
ある人たちが誘ってくれて猟に出たときのことです。もちろんわたしは初心者。他の人はベテランが数名。
「きみ、初心者だろ。1発くらい撃ちたいんじゃないの?」
その日の猟は何も獲れなかったし、獲物も出なかったので撃つチャンスはありませんでした。そういう意味で「そうですね〜。撃ちたかったですね〜」と答えました。
「それじゃ、あそこ撃ってみなよ」と向こうの切り株を指差します。
「え?!?!?!?!」
ご存じない人のために説明すると、山で銃を撃っていいのは獲物だけです。獲物がいない中で試射するのはぜったいに許されていませんし、バレたらアウト。銃も取りあげだし、かなり大ごとになります。
「いや〜、まずいですよね〜」
「大丈夫だよ。それに1発くらい撃ったことがないと、獲物も当たらねぇよ」
「いや、射撃場で何度も撃ってます」
「射撃場行ってんの? マジメだね〜(嘲笑)」
「ははは(この人なに言ってんだろう……?)」
わたしが「まずいですよ」と言ったので、ちょっと苛立っているのが分かります。そこで他のベテランの人が助け船を出してくれました。
「射撃でどれくらい当たるの?」
「膝撃ちだと〜くらい、立射だと〜くらいですね。まだ難しいです」
「おお、がんばってんね。でさぁ、あそこの射撃場はさぁ……」
と話を適当にそらしてくれて、切り株を撃つという話は消えました。
鉄砲に関してはルールを破るのはありえないと思ってます。たとえば車だったら、「制限速度プラス10km/hくらいはOK」と適当に解釈している人も多いですし、それにとやかく言うつもりはありませんが、鉄砲はマズイ。
1ミス=事故・殺人になる可能性があるし、そうじゃなくても違反となれば苦労して所持した銃も手放すことになります。
ところがさらっとルールを破る人がいる。で「大丈夫大丈夫」と言うんですよ。そういうことを言う人からは距離を置くようにしています。
この内容はかなりフェイクを入れていますが、こういう感じのやりとりが実際にあったわけです。強い気持ちをもって、嫌なことは嫌だと言わないといけませんね。
3.「狩猟なんてわたしには無理だな」
これは「嫌な思い」というわけではないのですが、やっぱり何度となく言われ、そのたびにちょっと考えてしまうことです。
「狩猟を始めるんだ」
「え〜、動物を殺すの? まぁ、わたしも肉を食べるわけだし、否定しちゃいけないのかもしれないけど、やっぱり自分では無理だな。スーパーで買うよ。そんな気持ち悪いことできない」
言い方は人それぞれですが、こういう内容のことを言われることは少なくないです。
「自分で殺すのはキツい」と思うのは分かります。殺すのを目の当たりにすると「かわいそう」と思うことだって理解できます。そしてそう思うことがおかしいとも思いませんが、かといってちゃんとした手続きを経てやろうとしていることを安易に否定しないで欲しいとは思いますね。
ほら、たとえばスノボやゴルフが好きな人に対して——
「スノボ?ゴルフ? 俺には無理だね。山を切り開いて、木を切り倒して何が自然の中での遊びだよ。あれこそ自然破壊の代表じゃないか。やる人を否定する気はないけど、俺には無理だよ」
って言ったら、嫌な気持ちになりませんかね? まぁ、狩猟に関しては世間的に認知されていない行為なので、「よく知らない世界」に対する不安があって、つい過剰反応するのかもしれませんが……。
でも、実は楽しいことばかり
今日はあえて「嫌な気持ちになった場面」をご紹介しましたが、実際は楽しいことの方がはるかに多いです。
どんな趣味でも必ず嫌な面もあるでしょ? 狩猟も例外じゃないというだけのことです。
特に最後の「狩猟なんてわたしには無理だな」というエピソードは、“ハンターあるある” なので、誰もが1度は経験することでしょう。こういうことを言ってくる人を悪くいうつもりはないんですが、もうすこし理解があればいいのにな、とは思います。
また、2つ目に挙げた「違反を誘われる」ことも、意外とありますね。大きな違反じゃなかったり、「この辺ではコレでOKだから」と、さも正しいことのように言う人がいます。とにかくベテランや先輩がなんと言おうと、法律違反は法律違反。警察沙汰になったら、その人たちは守ってくれません。そのことを考えて行動しないといけませんね。
さて、次は楽しい話を書きたいな。
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