初めての動的射撃:猟期前にやっておきたかった最後の競技

最終更新日

初めて動的射撃を体験してきましたので、その模様をザッとご紹介しつつ、自分なりに気付いた点をメモしておきます。

「大物猟やるなら動的を撃っておきなさい」

実は鉄砲を買ったとき、銃砲店でこんなことを言われました。

「まずはスキートあたりをたくさん撃って、鉄砲の操作に慣れておくこと。ある程度慣れたらスラッグで静的射撃の練習。初めて撃つスラッグが猟場だと危ないからね。で、少しでも実践に近い練習ということで、必ず猟期の前に動的射撃を撃っておきなさい」

このアドバイスに忠実に従い練習してきました。最初の数ヶ月はとにかくスキート。その後はスキートやりつつもスラッグをがんばり、猟期直前の今、今日の記事で書こうとしている動的射撃に挑戦しています。この流れで練習して良かったな、とわたしは思ってますよ。

 

きっかけはTwitter

動的射撃はいつでもどこでもやれる射撃ではありません。動的射撃は設備の都合上、射撃場を占有してしまいます。そのため事前に予約して、貸し切る必要があります。

で、いろんな銃砲店や射撃場が「動的射撃の練習会」を主催しています。わたしがお世話になっている銃砲店も年に1度、猟期の前に動的射撃会を企画しているので、そいつに参加するのは随分前から決めていました。

でも、心の中で「動的射撃の練習って1回で良いのか……?」という気持ちもあり、ちょっとモヤモヤしていたところ、Twitterで交流させていただいているベテランさんが「動的練習会やるよ」という企画をしていたので、参加させていただきました!

 

※この1件を考えただけでも、Twitterをやっていて良かったなぁと思っています。

 

練習会の流れ

当日、主催者の方が中心となって仕切ってくれました。

動的射撃は大雑把に3つの役割りがあます。射手の他にも

  1. プーラー(合図を出して、動的の的を動かすボタンを押す人)
  2. 的交換(動的の機械に貼られた的を交換する)

といった役割りがありますので、みんなで交互にやります。

自分が撃っていないときは休憩か、プーラー・的交換をやっているイメージです。

 

さて、動的射撃が始まります

動的射撃とはなにか? 静的射撃で使うあの的が右へ、左へと移動するので、そいつを撃つ競技です。的までの距離は(今回は)50m。

右の袖から現れて、左の袖に消えるまで、(数えたわけじゃないですが、思い出した感じだと)6〜7秒くらいでしょうか。プーラーの合図で的が現れます。そいつを狙い、右から左に消えるまでに1発撃ちます。

はっきり言って、めちゃくちゃ難しいです。そもそも静的射撃でも立射で50mって本当に油断ならないものでして、初めてやったときは的に入らない弾があったほどです。止まっている的なのに、ですよ。

そのあと練習して、さすがに的には収まるようになりましたが、それでも「余裕で当たる」っていう感じじゃありません。油断したら外す、っていう気持ちが強いです。

止まっている的でもそんな状態なのに、これが動くから大変。

「これ、当たる気がしないんですけど……」

開始前、思わず呟いちゃいます。

あっという間に自分の番が回ってきます。緊張と不安の中、射台に立ちます。心の準備なんか整わない中、プーラーの合図が鳴り、的が現れます。自分なりに一生懸命に狙って……。

手応え……なし……。的を確認しようにも、的は移動を終えると、袖に引っ込んで隠れてしまいます。

「今のは当たったの? 自信を持って良いの? それとも当たってないとしたら、狙いを変えた方がいいの?」

そんなことを考えているうちに、またプーラーの合図……現れる的……エイヤッと撃つわたし……また隠れる的。

とにかく10発終えないと、自分の結果がどうだったのかも分かりません。

「もしかして、1発も的に収まっていない可能性……あるよ……」

で、10発を終えて的を見ると……

点数は書いてありませんが、17点かな。いや、そんなことをより、「一応当たってる!」ということに感動しました。焦って撃ってしまい、大外ししているのもあります。10発中、紙に当たったのが6発。満足できる結果じゃないですが、とにかく「ちゃんと紙を破ることができて良かった」と本当に思いました。

 

的交換

わたしは順序的に撃ったらすぐに次の人の的交換です。

で、的交換はこの部屋でやります。

上の写真を見れば分かる通り、この機械の上を的が流れていきます。少しは動的のイメージが湧きますか?

で、この部屋で現在の射手が10発撃つまで待っているんですが、的が行ってしまうと……

的が行ってしまったあとの、的交換の部屋

なんか的が行ったあとの壁を見ると十字架の上部分に見えないですか? そのせいでこの部屋にいる間、ずっと「直前の射撃」について反省させられました。わたしは懺悔部屋と呼んでいます。

 

5ラウンドの練習

で、とにかく苦労しつつも5ラウンドの練習をしました。その最後の結果はこちらです。

う〜ん、点数で言えば最初の倍近いのですが、紙に収まった弾の数は7発と、あまり変わらず。

「あー!よくわからん、時間がないから撃たなきゃ!」と慌てて撃った弾があったので、そいつらがきっと紙に入らなかったんでしょう。でもちゃんと冷静に撃ててるときはけっこうまとまったかな、とも思います。とくに左右のブレが少ないことに安心しました。

 

動的の練習はあと1回

この練習会の翌週、もう1度別の動的射撃の練習会に参加します。今度の反省を踏まえて、もう少し良い結果を残したいですね。点数ももちろんですが、やっぱり狩猟を考えて、バイタルゾーンくらいの大きさに全弾必中するのが目標です(それを次回達成できるとは思ってないですが……)。

さて、今回の動的の練習会を踏まえて、自分なりに気付きや反省を挙げておきます。

  • 自分のフォームはオフハンドと呼ばれる形らしい。狩猟では普通だけど、射撃だとヒップレストと言って、左肘を骨盤に乗せるようなフォームが定番。狩猟用の練習ということで、あえてオフハンドのまま練習することにしました。
  • 下半身の立ち方が大事。
  • 動的での引き金の引き方が難しい。静的の場合はジワーッと引きやすいけど、動的だと(下手だから)「今だ!」ってときに強く引いてしまい、おかしなことになる……。
  • 静的での練習は確実に動的にも生きてくる。
  • 腕の筋肉が少し辛い → 10発連続で撃つし、撃ちたいタイミングで撃てるとも限らないので、結果的に据銃姿勢が長く続き、5ラウンド目の最後の2発で「辛い」と感じた。

というところかな。まぁ、動的初めてだから当たるとも思ってなかったし、今後何回もやっていけば少しずつ良くなるでしょう!

もうすぐ猟期ですね。張り切って準備しましょう。


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狩猟やってます。ひとりで歩き獲物を追う単独忍び猟が好き。2022年からはアイヌ犬のイチを連れて一銃一狗に挑戦します。狩猟系ブログ《山のクジラを獲りたくて》運営。狩猟系の本を集めるのが趣味。雑誌『狩猟生活』『ガンズ&シューティング』に寄稿し始めました。 ヤマノクジラショップ始めました:https://yamanokujira.theshop.jp

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