防災非常袋には2種類あることをご存じですか?

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防災袋とか非常袋とか災害対策キットとか、言い方が色々あって分かりづらいですが、大きく2つに分けて考えると何が必要か少し見えてくるのです。

今日はこの2つの概念について考えます。

防災非常袋について考える

これまでもいくつか「防災非常袋」について記事を書いてきました。

ファーストエイドキット?サバイバルキット? 6つの非常用バッグの定義を比べてみた

新しいエマージェンシーブランケットとしてSOLを買ってみたらいい感じ

などなど……。特に上に挙げた1つ目の記事を書いたとき、安易なことですが「備えって大事だな。よく考えないと……」と神妙な気持ちになりました。

そこで、現実的に自宅に備える「防災非常袋」について、1歩踏み込んで考えてみようというのが今日の記事です。

クマ
やまくじさんよぉ、このブログは狩猟・アウトドアブログだろ? 防災非常袋のことを書く大義名分があんのかよ

 

あ、くまさん、こんにちは。——それがあるんです。

まず、アウトドア遊びを始めれば、少なからず他の人に比べて、ファーストエイドキットのことや遭難対策を考える機会が多いはずです。

わたしも山中を歩きながら「もし帰れなくなったら、手持ちの荷物だけで満足に夜を越せるかな……?」と考えることがあります。

「夜は冷えるからタオルと手ぬぐい首に巻いて、ライターで火をおこして、小さいけど丈夫なナイフはあるから、余裕があれば雨避けのシェルターくらいは作れるかな……」

そんなことを考えると「うん、大丈夫」と安心します。

「アウトドア遊び」にはそういう非常事態を想像し、対策することも含まれているのと思います。だから、その想像力を日常生活や家族の周りにまで広げて、家に置いておくべき防災非常袋のことを考えるのは、実はアウトドアの延長にあるように感じます。

クマ
非常事態もアウトドア活動の一部ってわけか

 

まぁ、そういうことですね。

 

2種類の防災非常袋

防災非常袋、非常持出し袋、緊急避難セットなどなど、いろんな言い方があり、なんだか統一されていない気がするのですが、これらの概念は大きく2つに分けられるでしょう。

今日はこの2つの概念を理解し、対策に役立てようという狙いです。

2つの概念とは、Wikipediaの表現に従うと……

  • 非常袋
  • 防災袋

の2つ。少し掘り下げてみます。

クマ
ワシの家にはドングリの備蓄が山ほどあるからそんなややこしい袋はいらねぇな

 

いやいや、必要ですよ。いや、クマにはいらないか。

 

非常袋

一次持ち出し袋とも呼ばれます。

この袋(バッグ)は災害が起きたとき、まず掴んで逃げるべき荷物です。

たとえば——

地震が起きた。ひとまず揺れは落ち着いたが、家が傾いていて、いつ崩れるか分からない。

そんなときに持っていくものです。だから必然的に

  • 軽くて
  • とっさに持ち出せる場所に置いてあり
  • 非常事態に必要なものが入っている

ということが重要です。よくいわれる「3日分の水と食料」とか「家族分の毛布」のようなものはここでは不要です。

西欧でよく使われる概念 “Get Home Bag” (この記事参照)と似ていると思います。

Get Home Bagはその名の通り、外出中に災害が起きたとき、家まで帰ることを想定しており、別名 “24-hour Bag” とも呼ばれます。災害直後の24時間を乗り切るためのバッグ、というわけです。

非常袋は家に用意しておくバッグなので、少し違いますが、最初の24時間を乗り越えるという部分は同じ。

具体的な内容は住環境などによって変わるでしょうけれど、こう考えてはいかがでしょうか?

  • 防寒対策(エマージェンシーブランケット、雨具など)
  • 安全対策(ヘルメット、軍手、防塵マスク、フラッシュライト)
  • 健康管理(ファーストエイドキット的なもの)
  • 水・食料(24時間分なので1リットル程度の水+スニッカーズ2個など)
  • 情報収集(ラジオ)
  • シグナル(助けを求めるための笛など)

などなど。どこまで揃えるかは人それぞれだし、いきなり全部揃えようとすると大変ですので、まず家にあるもので使えそうなものを集めてみてはいかがでしょうか?

ただ、とにかく軽いことと、玄関などに置いておくことが重要。また、あるサイトにこんなことが書いてあり、強く頷いてしまいました。

非常用持ち出し袋が”いかにも”な外観、銀色の袋に大きく「非常用」と書かれているようなものであったり、使い古した汚れたリュックサックにグッズを押し込んでいたりすると、見映えが悪すぎて目立つところに置きたくなくなり、次第に奥へおいやられてしまいます。そのため、見映えのよいオシャレなバッグを選んだり、見た目のよいカゴや箱に入れて玄関先に置いておくという方法がおすすめです。
「非常用持ち出し袋」は命を守るための道具に厳選

クマ
そういうあんたは何に入れてるんだ?

 

わたしは昔買ったものの、使うことがなかったアタックバッグ(ベースキャンプから頂上までを行き来するときに使う小さな予備バッグ)を使いました。下のバッグはまったく同じものではありませんが、雰囲気的にはこんなものです。

登山が好きな人は眠っているバッグがありませんか? それを使えばいいんですよ。

クマ
ふ〜ん、そろそろ次の話題に移れよ

 

はいはい……

 

防災袋

先ほどの非常袋が一次持ち出し袋と呼ばれるのに対して、こちらは二次持ち出し袋です。

ひとまず災害を乗り切ったあと、もし家に戻るのが不安な状況(あるいは不可能)であれば、行政などが設置する避難所に移動します。これを二次避難と言います。

避難所での生活をより良くするのが防災袋・二次持ち出し袋の役割です。

当然、非常袋と大きく被りますが、少し違いもあります。

概念的な大きな違いは

  • 非常袋:災害直後の24時間を乗り越えるためのもの
  • 防災袋:災害の初期段階を乗り越え、避難所などで生きていくためのもの。少なくとも3日〜1週間程度は自活できることを目標。

災害が起きたとき、避難所の場所によりますが、数日で支援物資が届くケースが多いようです。しかし言い換えれば、数日は何も届かない可能性があります。

避難所に食料が備蓄されているケースもありますが、集まったすべての人を満たすほどあるわけありません。

同じことがいろんなことに言えます。寝具、救急用品、生理用品、インターネット、電話回線、防寒設備などなど、徐々に充実していくでしょうけれど、最初の数日はなにもない可能性があります。

だから安定的に支援物資が届くようになるまで、どうにか自活しなければいけないのです。

また自分の水・食料・生活物資を用意しておけば、避難所に備蓄していた物資をより多くの人に分配できるという意味で、「自分の防災袋を作ることは巡り巡って人のためである」とわたしは考えます。

逆に言えば、これを怠れば、共有の備蓄に頼らねばならず、本当に必要な人(たとえば家が全焼して防災袋を持ち出せなかった人など)への分配を減らすことに繋がります。

完璧なものはムリだとしても、少しずつでも用意しておきましょう。

さて、その中身ですが、先ほどの非常袋に加えてこんなものを加えていくといいでしょう。

  • 防寒(ジャケットとか)
  • 水・食料(3〜7日分)
  • ファーストエイドキット的なもの
  • 寝具(寝袋・毛布)
  • 衛生用品(ティッシュ・トイレットペーパー・生理用品・タオル・歯ブラシなど)
  • 食事系(卓上コンロ・鍋・箸)
  • 予備電池

などなど。1週間生活することを考えて、必要なものを考えればいいでしょう。

必要なすべてのものを想像するのは意外と難しいものです。だからいきなり完璧を目指さず、まずは基本的なものを揃えて、あとは時々見直して「これもあったほうがいいな」と思うものがあれば足していけばいいのではないでしょうか?

概念から考える

日本は災害が多い国です。

東北の震災、熊本の震災など、大きな災害が続いています。

東北地方太平洋沖地震のとき、わたしは東京にいました。直接の被害こそなかったものの、都市機能が停止し、不安に翻弄される人を多く見ました。

あの地震のあと、母は遅ればせながら「防災袋」を用意していました。しかし押し入れの奥に収納され、とっさのときに取り出せるものではありませんし、その中身も大量の水と食料です。重くて持ち出せません。

クマ
おれなら楽勝に持てるがな

——そうでしょうよ。

やっぱり災害時にとっさに持ち出す非常袋と、あとでゆっくりと持ち出す防災袋の概念は分けて考える必要があるというわけです。

もし、これまで考えたことがなかった人がいたら、これを機にちょっと考えてみてください。

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