書評 『ぼくは猟師になった』 現代の猟師のリアルな姿

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本日ご紹介するのは『ぼくは猟師になった』という千松信也氏の本です。ピンクとグレーの表紙がポップで、タイトルも堅苦しくなく、文章自体もシンプル&丁寧で取っつきやすい猟師本ですが、“リアルな猟師の姿” という意味ではかなり生々しい本なのです。

ぼくは猟師になった

この本がどういう目的で書かれているかは、前書きを見れば明らかです。少し長いですが引用してみましょう。

ぼくが猟師になりたいと漠然と思っていた頃、「実際に猟師になれるんだ」と思われてくれるような本があれば、どれほどありがたかったか。
(中略)
狩猟をしているというと、エコっぽい人たちから「スローライフの究極ですね!」などと羨望の眼差しを向けられることもあります。でも、こういう人たちはぼくが我が家で、大型液晶テレビでお笑い番組を見ながら、イノシシ肉をぶち込んだインスタントラーメンをガツガツ頬張っているのを見ると幻滅してしまうようです。
(中略)
いろいろな意味で、現代の日本において猟師は多くの人々にとって遠い存在であり、イメージばかりが先行しているようです。

まとめれば「今の時代の猟師がどういう生活をしているか」をリアルに見せる本だ、ということです。

リアルな描写

この本では「カッコいいマタギ像」とか「大熊との死闘」といったドラマティックな場面はありません。その代わり、ものすごくリアルな猟師の姿を見ることができます。

ある朝、出勤前に(著者は運送会社勤務)罠を見回りに行くと、イノシシがかかっています。時計を見るとあと1時間で出勤しなければいけません。

勤務後に処理するか、今やるか、と悩みますが、ワイヤーを切ってしまう可能性も考え、すぐに処理することにします。鉄パイプで殺し、血を抜き、自宅に着くと出勤まで30分。急いで内蔵を取り出すと出勤時間。内蔵を抜いたところに凍らせておいたペットボトルをいくつもいれ、冷やしつつ、出勤する。

そんな様子が描かれています。

マタギ系の本から感じる「カッコいい猟師像」もステキですが、こういうリアルな猟師像はこれから猟師になろうと思うわたしにとってはとてもありがたいものです。

狩猟をやるライフスタイル

猟師といっても、現代では狩猟だけでメシを食っている人は多くないでしょう。

しかし千松信也氏のように、兼業猟師のような生き方は可能です。

今までは田舎暮らしと言えば「農業的生活」を思い浮かべることが多かったと思いますが、こういう猟師をやりながらの田舎暮らしというスタイルをちゃんと想像できる本だと感じました。

まだ読んだことがない人は、ぜひ手に取ってみてください。まだ猟師ではない、わたしのような人はきっとワクワクすると思いますよ。

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