狩猟メモって大事だよな〜、という話
狩猟におけるメモってけっこう大事だと思っています。
ぼくはそもそもメモ好きなので、積極的にメモを取ります。そのメモから気付かされることもあるし、改善されることもあります。
というわけで、エピソードを交えつつ、メモを取るべきポイントを自分なりにまとめてみたいと思います。
気付いた獲物の動向・傾向
北海道に来て1年目。一生懸命シカを追っかけていました。
シカが増えていること、そしてそもそも地域的にシカが多いことも手伝い、シカを見つけること自体は苦労しませんでした。
10月から猟期が始まり、ポンポンとシカを見つけましたが、まだ気温も高いし、慣れない土地なのであまり積極的に撃たずに、1〜2頭だけ獲りつつ、あとは見送っていました。
「まぁ、猟期も長いし12月くらいから獲ればいいでしょ」
くらいに考えていたんです。そして、12月になると雪がしっかり積もり始めて、スキーを履いて歩く季節になりました。
スキーを履き、山を歩きます。体力に身を任せ、山を登り、谷に降り、シカがいる場所を回りますが、どうもおかしい。痕跡が少ないのです。これまでならいくらでもいたはず。
あるとき、見かけた足跡をトラッキングしていました。軽く2時間くらいは追っていたと思います。遠くにそのシカを見つけつつも、ジワジワ距離を伸ばされて「ああ、追いつけない〜」と嘆きつつのトラッキングでした。
それでも、他の痕跡がほとんどなかったので、藁にもすがる思いで追い続けたのです。
すると、とある平野に足跡は伸びていき、たどり着いた場所は “シカの足跡しかない” と言えるほど、足跡だらけの一帯でした。楽園と言っても良いでしょう。そこで獲物を獲り、それ以降は、何度もそこで獲らせてもらいましたね。
翌年のことです。やはり12月になり、山のシカの痕跡が薄くなっていきました。こうやって記事で読んでいれば自明のことですが、実際には1年後のことです。去年のことはうっすら覚えている程度。去年の12月頃の狩猟メモを見ると「獲物を見かけないが、○○がシカの楽園のような様子だった」という内容のメモがあります。
「ああ、そういえば、去年はこの時期はあっちにシカが集まってたんだった」
と思いだし、すぐさまそっちに行くと、やはり楽園状態。最近は毎年、12月半ば以降にシカを獲りたければ、定番の場所となっています。要するにシカの越冬地なんですね。
雪もなく、寒さも厳しくない関東ではそこまではっきりした越冬地を感じませんでしたが(傾向の変化は少しはあったと思ってる)、北海道では明確に生息地が変わるということを気付かされたわけです。
その日その日、獲物を見たのか? 痕跡は多かったか少なかったか? といった獲物の動向や気付いた傾向、仮説といったものはメモしておくと数年後に役立ったりするものです。
小さなストレスをメモすること
狩猟中、小さなストレスを感じることはありませんか? ぼくはよくあります。
たとえば、初秋の狩猟なんかだと、まだ暖かいこともあって「ああ、手袋を外そう」「冷えてきたな、またつけよう」と、頻繁に脱着します。そうすると手袋を収納する場所に迷ったりします。ポケットには入るけど、ちょっとパンパンになって窮屈。窮屈ながらももちろん我慢できないほどじゃない。小さなストレスです。
そういう小さなストレスは、その場で解決しないまでも、一応メモしておくのがいいと思います。
帰宅後、暇な夜にそういうメモを見返して、いろいろある小さなストレスを改善する方法を考える。そういう狩猟の楽しみもあると思っています。
さっきの手袋の件ならば——
「腰にダンプポーチを下げておこうかな」
「いや、ダンプポーチは邪魔くさいかな? カラビナをベルトに下げておいて、手袋を下げられるようにするかな」
ってな感じで、あれこれ対策を考えられます。なんか、この手の小さなストレスってメモでもしておかないと忘れちゃうんですよね。で、次回の出猟時に、また同じストレスを感じてしまうわけです。
うまく改善されたことも
上記のような改善の結果、良くなったなら、それも書いておいたりします。
というのも、狩猟の道具とかウェアって季節によって変わるので、翌年の同時期の参考になってりもするんですよね。
たとえば手袋の件で言えば、厳冬期に入ると「手袋をとる」なんてあまりしなくなるので、そういうストレスは感じなくなるんですよね。だから、あの手袋の悩みって秋の悩みだったりします。
だから「これはうまくいったな〜」「快適だな〜」と思ったらちょっとメモしておく、と。
ぼく個人的なことで言えば、このメモがブログのネタになったりもします。
メモを取ることで記憶に残るという面も
そもそも論なんですが、メモを逐一読み返すということはしません。
書くことで頭に残り、整理されていくイメージです。
だからこそ、わりとマジメにメモをします。
そもそも書く仕事があるからってのも大きい
ぼくの場合は書き物仕事があるので、「あのときはどんな猟だったかな」ということは確実に記録しておく必要があるんです。
メモの一環として写真も必ず撮るようにしています。良い写真を撮ろうってのとは別に「記録写真」もたくさん撮ります。表には出せないけど、林道の入口とか、崩落箇所とか、獲物の記録とか、自撮り写真(その日の服装とかがわかる)とか、意識して撮るようにしています。
これとメモを並べて見れば、その日の猟が手に取るようにわかる、という感じです。
「○月○日、君はどこで何をしていたのかね?」
と訊かれても、だいたいのことは答えられるはず。
というわけで、誰にでも参考になるのかわからないんですが、狩猟についてメモをすることは、ぼくにとって大事なことの1つだと思っています。
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