【アイヌ犬】犬の散歩を考える——散歩の目的と時間について
犬の散歩って、慣れてくるとついつい “なんとなくおざなり” にやってしまう気がしますが、じつは超重要タスクで、犬を飼う上で絶対に手を抜いてはいけないイベントだと最近は痛感しています。
今日は自分が散歩について考えていることをまとめてみたいと思います。
※(よくある注意事項)ぼくはドッグトレーナーではないので、ここで書くことはあくまで素人なりに考えていることと捉え、ご自身の犬に関してはちゃんと専門の人に指導を受けることをオススメします。
犬の散歩の目的は4つ
ぼくは犬の散歩には4つの目的があると考えています(排便などは除く)。それは——
- 運動欲求を満たす
- 知的欲求を満たす
- 飼い主との交流
- 外でしかできないコマンドトレーニング
簡単に説明していくと——
1.運動欲求を満たす
これは誰でも分かることですね。室内飼いにせよ、外飼いにせよ、限られた空間で生活していると身体が鈍ります。
散歩はそれを発散させてやる最高の機会だと思います。
2.知的欲求を満たす
人間でも同じ場所に閉じ込めて誰にも会わず、外的刺激のない環境で過ごしたら発狂するという心理実験があったかと思います。
そこまで極端でないにせよ、犬は非常に限られた空間で生活しており、人間のように「ちょっとストレスが溜まったから遊びに行こう」なんてことはできません。だからその知的欲求を満たしてやる必要があるわけです。
3.飼い主との交流
家でも一定の交流はあると思いますが、やっぱり散歩は犬と飼い主がベタッとコミュニケーションがとれる最高のタイミング。
現代人はみんな忙しい日常を送っています、せめて散歩の時間だけは犬と1対1でコミュニケーションをとってやることで犬の愛情を満たしてやりたいですね。
4.外でしかできないコマンドトレーニング
オスワリやマテといったコマンドは家でできてもあまり意味がありません。やっぱり大事な場面でできてこそのコマンドですよね。
たとえば向こうから知らない犬がよってきたとき「オスワリ」と号令をかけて、座って、他の犬をやり過ごすようなときにコマンドは活きてくるわけです。あるいは行き交う人がたくさんいる中で、「マテ」と号令をかけ、黙って待っている。
犬を飼っていれば分かりますが、これはとても難しいのです。いきなりやっても絶対ダメ。うまくいきません。
そこで日常的に「外でのコマンド」の練習をしておくのは大事です。コマンド練習のために外に行くとなると、時間を確保しにくいので、やっぱり散歩の中でやるのがいいかな、と思います。
目的を明確にすると、散歩の質が変わる
最初の頃は、ぼくはダラダラと歩いて散歩していました。でも、あるとき思いました。
——犬は運動能力が高いわけで、小一時間程度歩いただけで運動量は満たされるのだろうか?
とくにうちの犬は北海道犬(アイヌ犬)で、それなりに運動量が必要な犬種です。しかも猟犬として育てるので、運動ができる犬に育てたいわけです。1時間歩いて満足する犬に育てたいわけじゃないのです。
散歩の時間を延ばすのは簡単ですが、それを続けるのは難しいときもあります。そこでぼくは散歩の最初に運動タイムを持つことに決めました。
まずは近所の公園に直行して、おもちゃを投げたり、追いかけっこしたりして、うちの犬がハッキリと息を切らす程度の運動をしてやります。ぼくも一緒に走っているので、同じく汗ダラダラで息が切れます。
また意図的に散歩コースを山登りにすることもあります。ひたすら山を登って降りてくる。
このように「運動量を稼ぐ」と目的を明確にすると、散歩の内容はいくらでも改善できます。
他にも「知的欲求を満たす」という目的には匂い嗅ぎがよいと聞いています。犬は道端の匂いを嗅いで、いろんなことを考えます。ぼくはトレーナーから「匂い嗅ぎはいくらでもやらせてやりなさい」と指導をされているほどです。
「飼い主との交流」「外でしかできないコマンドトレーニング」はわりとセットで満たせることだったりします。ぼくは散歩中に何度かトレーニング時間を設けるようにしています。たとえば人通りが多くない歩道上でオスワリ・マテといった練習をするんです。できるようになったら、少し人がいる場所でも練習する。もちろん成功したらたくさん褒めてやる。これが練習にもなり、飼い主とのコミュニケーションにもなるわけです。
犬の集中力は長くないので、数分もみっちりやると疲れてきます。そしたら散歩を続行して、また別の場所で少し練習する。
——とまぁ、目的をハッキリさせて、それぞれを満たしてやることを考えると、「1時間ダラダラ歩く」みたいな散歩はとってももったいないと思うようにわけです。
ちなみに散歩の最初にしっかり運動をさせると、リードの引っ張り防止や、散歩中の過度な興奮を抑える効果があるとも言われますので、そういう意味でも散歩の中で運動させるのはオススメです。
目的が明確なら代替案も的確に——
毎日しっかり散歩ができるに越したことはないですが、どうしても散歩が短くなる日もあります。悪天候だったり、とても忙しい日だったり、身体を壊してしまったり……。
そんなとき、上記に挙げたような項目を、他の方法で満たすことを考えます。
たとえば運動は庭や室内でしっかり遊んでやることで少しは満たせます
たとえば知的欲求はコングや犬の知育玩具で少しは満たせるでしょう。
外でのトレーニングは最悪お休みしても今日明日に問題が起こることはないでしょうし、飼い主との交流は家でみっちり遊んであげることを満たすこともできるはず。
たとえば普段は60分散歩するところを、どうしても30分にしないといけないなら、公園での運動量を増やしてとにかく身体の欲求を満たしてあげて、あとは室内で満たしてやるようなことも可能でしょう。
また、うちの場合は、週に数回の山での狩猟もあるので、そこですごい量の運動をすることになります。その翌日は散歩の中から運動的要素を減らして、そのかわりにコマンドトレーニングやコミュニケーションをしっかり取ることを優先したりもします。
散歩の時間を増やす・減らす、というだけじゃなくて、散歩のどの要素を優先するか? と考えると、日々の散歩に変化も出て楽しいです
散歩量は自分の犬に聞いてみる
ネットを見ると「こういう犬種は○○分の散歩が適量」と、散歩の長さの目安が紹介されていたりします。参考にするのは良いと思いますが、やっぱり犬も動物で、個体差がありますので、「散歩の量は足りてるかい?」と自分の犬に聞くのがいいかな、と思うのです。
たとえば、先日、うちの犬でこんなことがありました。
最近は無駄吠え・要求吠えがずいぶん改善されて、安心していたところで、なぜか唐突に鳴く量が増えました。犬のしつけは3歩進んで2歩下がるみたいなところがあるので、数日は様子を見ていたのですが、なかなか改善されません。
そこで原因を考えたところ、散歩の中で「運動」が足りていないことに思い至りました。というのも、犬が肉球を痛めてしまい、激しい運動をすると傷口が広がるので、ハードな運動は控えていたんです。そんな日々が1週間ほど続いていて、恐らく犬としては「もうたまらん! ものたりない!!」と欲求不満になっていたのでしょう。
足を確認すると、傷もずいぶん良くなっていて、犬としても「もう走れる」ということでストレスが溜まっていたのかな、と思いました。
そこで、運動量を増やし、散歩の時間も増やし、2日間くらいかけてしっっっっっかり運動させました。すると無駄吠えも収まったわけです。
ケガをしていたから仕方ないとはいえ、あの無駄吠えは「運動がたりないよ」というメッセージだったんだな、と思っています。
散歩は楽しい
とまぁ、こんなことを考えながら散歩をしています。
目的を明確にして、変化をつけながら散歩をするのが楽しいですね。また、散歩中にコマンド練習なんかを取り入れると、成長を感じやすいので、「お、こんなこともできるようになったか!」と嬉しくもなります。
1時間なんてあっという間で、気付けば1時間30分くらいになっちゃったりします。一方で、どうしても仕方ないときは短くするしかないのですが、そういうときでも1回あたり40分以上という基準を守るようにし、不足分は翌日〜翌々日あたりで補うようにしています。トレーナーからは「1週間単位で辻褄が合うように調整すればOK」と言われていますので、概ねその感覚です。
みなさんは散歩のこだわりはありますか?
ぼくはここでは書ききれない散歩話がまだあるので、そのうち記事にしていきたいと思います。
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