書評『大イワナの滝壺』嫉妬と興奮の釣行記

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釣りに行けない夜に最適な、昭和37〜47年の釣行記。

誰も入ったことがない源流域で、誰も釣ったことがないイワナを釣る。そんな興奮の1冊です。

『大イワナの滝壺』

この本は著者の白石勝彦氏の釣りの記録です。

昭和37〜47年の10年間。まだ源流釣りが一般的でもなく、源流に行きさえすればすれていないイワナに出会えた時代の釣行記です。

源流釣りにのめりこみ、数より大きさを求めてより源流へ、より源流へ、と入り込んでいく白石勝彦氏の様子が見え、読めば「源流行きてー」と思うことまちがいなしの1冊です。

開拓する喜び

源流釣りの喜びは決して釣り針に魚を引っかけるだけのことではありません。

誰も入り込まないような深い山に入っていき、まだ誰も糸を垂らしたことがないような水に糸を垂らす。誰も吸っていない空気を吸って、誰も飲んでいない水を飲む。そういう冒険心こそ源流釣りの醍醐味でしょう。

この本はまさにそういう喜びを表現してくれています。

「まだ釣りでこの沢の源流に入った人はいないはず」

そういう川を見つけると、地図を見て、計画を立て、仲間を見つけて遡行していく。

ときに越えられない滝にぶつかり、ときに悪天候で遡行を諦めなくてはいけないこともあり、翌年、懲りずに同じ沢を登っていく。

白石勝彦氏のそういう悪戦苦闘と、巨大な——それこそバケモノと呼べる大きさのイワナを釣り上げる様子にページをめくる手に力が入るというものです。

嫉妬

読んでいると興奮するのはもちろんですが、嫉妬も沸き上がってきます。

本当にいくらでも釣れるのです。尺イワナくらいだと雑魚扱いになるときもあります。

それをガンガン持ち帰り、腹一杯に食べる。

「そんなに釣って、持ち帰っていたら、そりゃ源流の魚は減っていくわ……」

と暗い気持ちになりました。著者も「今ではキャッチアンドリリースしているので容赦してほしい」という意味のことを書いています。

まぁ、今と当時じゃ資源保護の意識も全然違うでしょうから責める気はないですが、激しい嫉妬は湧いてきます。

釣りに行けない夜にどうぞ

こういう釣行記や釣りの体験記は、釣りに行けない夜に最適です。

酒を飲みながらページをめくれば、つい「自分ならこうする」とか考え始め、いつのまにか本を放り出して、毛針の1つでも作り始めること間違いなしです。

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