偶然出会った国産のレトロマッチがあと2ヶ月で事業撤退するというお話
ふとしたきっかけで出会ったマッチが国産だと気付きました。輸入品が多い今の時代、国産のものを見かけると嬉しくなりませんか?
このマッチについて調べてみると、想像以上のレトロアイテムで、しかももうすぐ事業撤退してしまうとのこと。
普段気にも止めないマッチにあえて注目してみようというお話です。
マッチに辿り着いた
先日、こんな動画を作りました。
この動画を撮影するとき、「着火に何を使おう?」と考えていました。
少しでもおもしろい動画、雰囲気のいい動画にしたいというわたしなりの苦心でした。
「やっぱりブッシュクラフト界隈で流行っているファイヤースチールでシャッと着火するのがナウいのかな?」
「でも自分は普段ライターを使っているわけで、普段通りやったほうが自然な映像になるかな? 慣れないファイヤースチールを使ってもカッコ悪い気がするし……」
う〜ん。
と悩んだ結果、唐突にマッチが頭に浮かびました。
けっこう簡単に着火できて、雰囲気も壊さない着火道具。それこそマッチだ、と……。
マッチを買いに行って驚いた
近所のコンビニへマッチを求めにいきました。
するとライターが何種類もあるのに対して、マッチは1種類だけ。なんでも良かったので、そのマッチを手に取ります。
何気なく手に取ったマッチを見てみると、こんなことが書いてありました。
このマッチラベルは東洋で最も有名なブランドのひとつです。桃は長寿厄除、像は温和な炎を意味します。
そしてちょっと古風な書体で『兼松サステック株式会社』と。
側面を見ると、兵庫県淡路市の住所のあとに小さく「日本製」とも。
思わず「国産なんだ!」と嬉しくなってしまいました。
創業百年を超える
興味が湧いたので兼松サステックのサイトをチェック。すると兵庫県にあるマッチ工場は創業百年を超え、マッチの図柄の多くが明治に作られたものとのこと。
明治時代から同じデザインで売り続けている、ちょっとしたレトロアイテムだったのです。
マッチ事業赤字
さらにこの兼松サステックのことを調べていくと、こんなニュース記事に行き当たりました。
マッチ最大手の兼松日産農林は27日、マッチの製造販売事業から2017年3月末で撤退すると発表した。使い捨てライターなどの普及でマッチ需要は右肩下がりで、唯一の国内工場では設備の老朽化で安定供給が難しくなった。
(中略)
「桃」や「燕(ツバメ)」などの商標で知られるマッチの製造販売は日東社が引き継ぐ。
なんと、100年以上続いたマッチ事業も赤字が続き、事業撤退となったようです。今の時代、ライターやらチャッカマンなんかが全盛ですからね……。
撤退の日付は2017年3月末。つまりあと2ヶ月ほど。
この「兼松サステック株式会社」の社名がついた古風なマッチはそれまでしか買えないということです(それ以降も在庫が流通するかもしれませんが)。
なんだか応援したくなったのです
うまく言えませんが、この素朴なマッチという商品を作り続け、赤字でも売り続けていた兼松サステック株式会社を応援したい気持ちになりました。
また事業も廃業とするのではなく、別の会社に譲渡したということで、会社は変われど、このマッチ自体は生き残ることを意味します。そのことも嬉しく思うのです。
わたしなんかに何ができるというわけでもありませんが、こうしてコンビニでも買える、国産のマッチがあるんだぞ! ということをあえて記事にしてみた次第です。
もしアウトドアをやる人でマッチに興味がある人は、高価な防水マッチなんかもいいですが、この2箱で60円の兼松サステックのマッチはいかがでしょうか?
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