書評『山の仕事、山の暮らし』 山の仕事の多様性に驚く
本日ご紹介するのは『山の仕事、山の暮らし』という高桑信一さんの著書です。
まさにタイトルの通り、山に生きる人間の生き様をオムニバス的に書き並べた本になっています。この本のおもしろいところはなんと言っても、山の仕事の多様性を見られることでしょう。
“山の仕事” と聞いて
“山の仕事” と聞いて、どんな仕事を思い浮かべますか?
- 林業系
- 登山小屋
- 管理員 / 救助隊
などでしょうか。今日ご紹介する『山の仕事、山の暮らし』を読んで、ハッとしたのは、山の仕事というのが想像以上に多岐に渡る、ということでした。
そしてその一部は時代と共に廃れつつある現実が文面に滲み出ています。読んでいて、どこかノスタルジックな気持ちが湧いてくる本です。
一方で現在でも現役で活躍されている分野もあり、山の仕事の可能性に心ときめく本でもあります。
ゼンマイ、サンショウウオ、蜂、氷、獣……
この本で紹介されている人々の仕事をサッと挙げてみましょう。
- ゼンマイ採り
- サンショウウオ採り
- シカ撃ち
- 蜂飼い
- 白炭作り
- 天然氷作り
こうして見てみると、山ってのは本当に資源や食料の宝庫だなぁ、と思い知らされます。
日本の国土はほとんど山地です。山には野菜も、魚も、肉もあり、木材という資源もある。それらを上手に活用して日本は生きてきたわけです。
その背景には、この本に紹介されているような人々の仕事があるのです。
はっきり言って、ここで紹介されている人々は裕福ではありません。副業もやりつつ生きていけるとか、贅沢しなければ生きていけるという人が多いのです。それでも「山には入れるうちは入りたい」と、お爺ちゃんになっても山に入る人の姿に胸を打たれます。
山ばかりの日本で、こうした山に長けた人々の存在は非常に重要で、これからも必ず必要となるでしょう。
そしてこの人たちが山に向かう姿勢も美しく、参考になる、というか参考にしなければいけないものばかり。
自分も狩猟という形で山の営みに参加しようとしているわけで、彼らに恥ずかしくない山との触れあい方をしたい、と思いました。
この本に出てくる人を思い浮かべ、山の資源を活かす方法を考えながら山を歩くのも、また一興かもしれません。
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