猟のヒヤリハット1:「それ本当に鹿ですか?」

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狩猟のいい話ばかり書いているような気がしますが、やっぱりドキッとするような場面もあるものです。

幸い事故も起こしていないし、巻き込まれてもいません。しかし、ヒヤリハットはあって、そこから学ばないと、いつか事故を起こしてしまうかもしれません。

鹿かと思ったら……というお話です。

ある日、鹿に何度か遭遇していました

その日の猟では鹿に何度も遭遇していたものの、パッと逃げられてしまったりして、発砲に至らずという感じで、悔しい思いを繰り返していました。

だからこそ、起きたヒヤリハットだったのかもしれません。

 

ガサ!

斜面をトラバースしていたところ、下方、距離にして25mくらいの死角からシカが飛び出しました。

即座に弾を装填しつつ、逃げたシカを目で追います。そして素早く据銃。斜面にお尻を付け、安定させます。まだ狙いが定かではないので、地面に銃口を向ける形です。すでに銃床は肩に当て、銃口を上げれば撃てる姿勢をとります。

直後、シカが立ち止まりました。

「チャンス」

逃げているシカが立ち止まった瞬間は大きなチャンスです。長く立ち止まってはくれません。しかし、わずかな違和感……。

斜面に座り込んでいたので、尻の位置をぐりぐりっと安定させ、銃口を上げようとしたとき、シカがこちらを向きました。

いや、逃げる姿勢に「あれ!?」とは思っていたんです。なんかいつもと違うなって。

そう、シカだと思ったそいつはカモシカでした。天然記念物であり、非狩猟鳥獣。天然記念物といいつつ、すごくたくさんいるような気がしますが、とにかく非狩猟鳥獣なので撃ったらその時点で違反。アウト。

 

顔が見えているか?

わたしはとにかく自信があるときしか銃口を向けないようにしています。

銃口を向けた時点で、引き金を引いたつもりがなくても暴発するかもしれませんし、そもそも指が引き金に当たって撃ってしまうかもしれない。自分のことを信用してはいけないと思っています。

カモ撃ちである父の教えで「顔が見えなきゃ撃たない」という考えを持っています。過去、寝そべって、まったくこちらに気付いていないシカに遭遇したこともありますが、顔が木の影になっていたので撃ちませんでした。心臓付近は見えていたので撃つことはできましたが、万にひとつでもカモシカの可能性があるので撃てませんでした。

 

で、今日です。

突然死角から飛び出した動物。パッと見はシカにしか見えませんでした。しかし逃げる仕草がちょっとどんくさくて「こりゃ、立ち止まるのを待たずに撃ってもいいかもしれない」とさえ思ったのを覚えています。

でもやっぱり違和感。ちょっと黒いし、毛の感じがちょっと違う。なにより逃げる動きが違う。シカならもっと軽快に逃げるはず……。

カモシカだと分かったとき、一気に心拍数が上がりました。

「もしかしたら撃ってたかもしれない」

 

ガサドン

ガサドンという言葉があります。

藪の裏でガサガサしている動物に対して発砲する、という意味です。人間に対する誤射でもありますね。ガサガサしているから撃ったら、山菜採りの人だったってやつです。最悪ですね。

これが起こるメカニズムを目の当たりにした気がしました。わたしはこの日、たくさんのシカに連続して遭遇していて、ここで遭遇したのもシカに違いないと思ったわけです。

「顔を確認する」というルールを守っていたからこそ、誤射にはならなかったし、幸い銃口を向けることにも至りませんでしたが、もし過剰に興奮してしまったらどうなることやら……。

 

また、わたしは銃口を向けた時点でアウトだと思っています。銃口を向けるのは撃っていいと確信しているときのみ。たとえばバックストップがないときも銃口を向けちゃダメ。ガサガサしている藪にも銃口を向けちゃダメ。藪がガサガサしていて、獲物かも、と思うときは撃つ準備はしつつ、銃口は地面へ。

「顔ルール」と「銃口ルール」はこれから固く守っていかないといけないと感じた1日でした。

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