「クライミングロープはバイクだ」初めてのロープで感じた自由
かれこれ10年近く登山ボルダリング・キャンプなど、いわゆる「山遊び」をやってきたのに、ロープには手を出したことがありませんでした。
そんなわたしですが、とあるきっかけでクライミングロープに興味を持ち、購入。
買ってみたら、自分が想像した以上に喜びが大きくて驚いてしまいました。
ロープを買った経緯と使い方なんかをメモしておこうと思います。
ロープに興味を持つ
最近、渓流釣りに行きました。わたしは初めて入る沢です。
沢を登っていく途中で、大きな滝に出会います。登れないので高巻き(滝を大回りで迂回して上に登る)をしますが、この高巻き自体が驚くほど大変でした。
急な斜面を何十メートルも這い上がっていきます。で、滝を越えたら今度は降りなくてはいけません。
ところが安全に降りる場所が見当たりません。切り立った崖……というわけではありませんが、足を滑らせればズルズルと長く滑り落ちそうな急斜面です。変な話、登ることはできそうですが、くだるのは怖い、という斜面。
木や岩など掴むところが多ければ行けるのですが、それも十分にない。降りられそうで降りられない……。
「いくか? やめるか? もっと先に楽に降りられる場所があるかも? ないかも? 下に見える釣り場はすごく良さそう。降りたい!」
葛藤します。このとき心の中で「ロープを買おう」と決意しました。
ロープのことを調べてみた
クライミングロープの知識がまったくありませんでしたので、いつものごとく、ネットで調べてみると、こんなことを言っている人がいました。
懸垂下降は安全に降りる技術。だけど、懸垂下降はもっとも事故が多い場面。
つまり「いい加減なやり方をしてはいけません」ということですね。
また、ロープ自体についても、大雑把に2通りあることが分かりました。
- ちゃんとしたクライミングロープ
- 補助ロープ
補助ロープとは何かといえば、いわゆるクライミングロープとしての規格を満たしていないロープで、その名前の通り、補助的に使うロープです。
いろんな違いがあるのですが、「荷物」という観点で言えば「ちゃんとしたクライミングロープ」は重くて大きく、「補助ロープは軽くて小さい」のです。もちろんその分、強度や安全性に問題があります。そういったことを知った上で、「念のため持って行くロープだから軽いことが大事」と補助ロープで懸垂下降をする人もいるようです(オススメする意図はありません)。
ちなみに服部文祥さん(サバイバル登山で有名な登山家・狩猟家)もご自身の著書で補助ロープを使っているとの記述がありました。
わたしもあくまで「念のため持って行く」わけですから、「軽くて小さい補助ロープ」に魅力を感じる一方、「安全のために買うのだから、ちゃんとしたクライミングロープにすべき」という気持ちもあり、悩んでしまいました。結論はお店で出すことに。。
ロープを買いに行ってみた
クライミングロープは未知のジャンルですので、通販ではなく店舗で買うことにしました。東京のサカイヤスポーツクライミング館に行ってみます。
たしかに補助ロープとクライミングロープが販売されています。お店からの注意書きにもしっかり——
補助ロープは絶対にクライミング目的では使用しないように
と書いてあります。しかし確かに同じ長さのロープを比べたときの大きさや重さが全然違う。大人と子どもくらい違う。
悩んでしまいました。しばらくロープの前で悩み、結論を下します。
「安全のためにやるんだから、安全重視。最初は補助的な使い方がメインだろうけど、もう少し本格的にやるようになることも想像できるので、ちゃんとしたクライミングロープにしよう。セールだし!」
とこちらのロープを購入。セール効果か、この金額の半額くらいで買えました。
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ロープはバイクだ!
ロープを購入したので、合わせて最低限必要になるクライミング用のカラビナや補助ロープなんかも買います。
これを買って、家で広げたとき、想像もしない興奮を感じました。
「ああ、ロープはバイクなんだ」
と心底思いました。わたしはバイクも乗ります。初めてバイクを手に入れたとき「これでどこまでも行ける!」という自由を感じたのを覚えています。
その自由に似たものをロープに感じました。
「いままで指をくわえてみているしかなかった斜面も、これで降りられる!」
「行けそうで行けなかった場所に、これで行ける!」
わたしは自分が背負っているものだけで旅をするという行為が大好きです。テン泊登山が好きなのもそういうこと。究極のミニマリスト的感覚です。それもあってバックパッカーとして海外を長く放浪したこともあります。
荷物が少しくらい重くなったって、いける場所が増えるならそれもいい!
本当にそう感じました。
懸垂下降の練習!
今のところ、ロープは下降専用です。本気のアルパインクライミング(人工登攀)は手に余ります。
最初に書いたように「行けそうで行けない、微妙な斜面」を安全に降りる補助的な技術として、懸垂下降をやろうと思います。
自宅であれこれ練習して、バックアップの取り方やトラブったときの脱出の仕方なんかを覚えました。
先日の猟場探し(参考:第1回猟場探し! 地図で候補地探し、そして現地でアニマル・トラッキング)でロープを持って行って、安全そうな場所で試してみたりもしました。いままでなら絶対降りなかった場所をサクッと降りられたとき、フワッと身体が軽くなるような昂揚感が込み上げて、ロープ買って良かった!と山の中で1人笑ってしまったほどです。
ロープ1本にこれほど感動するとは思わなかったですね〜。
近々ちゃんと習いに行って、しっかりとした技術を身につけたいとも思っています。
ぜひ、みなさんのロープに関する体験や心構えなど教えてください。
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