書評 『和式ナイフの世界』 和式ナイフ入門者〜中級者にお勧めしたい1冊

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和式ナイフに興味を持ったらすぐに読みたい1冊です!

珍しい和式ナイフの専門書

和式ナイフというジャンルはどうも書籍が少ないように感じます。

職人がいて、伝統もあり、愛好家がいるのだからもっともっといろんな書籍があっていいような気がするのですが、どうなのでしょう? もしかしてナイフの愛好家は多いけど、和式ナイフとなると「愛好家」というよりも道具として淡々と使う人が多いのかな? なんて根拠のない想像をしてしまいます。

さて、そんな中、こちらの書籍はバリバリの和式ナイフだけの本です。

和式ナイフ全般の話はもちろん、肥後守の話、誂え鍛冶の話、マタギの刃物の話、鋼材の話、手入れの話など、この1冊で和式ナイフを知る上で必要なひと通りの知識が得られます。

また、各話題の中で実際に鍛冶を紹介し、その鍛冶が作ったナイフを写真+専門的な説明で紹介しているのですが、どれもこれも本当に美しく、実用的ですぐにでも欲しくなるものばかりなのです。

 

マタギの刃物

たとえば『マタギの刃物』という章を見てみましょう。

もちろん期待通り西根正剛氏のフクロナガサも紹介されていますが、そこで終わらないのがこの本の深さであり、おもしろさだと思います。

マタギ用の刃物や狩猟用の刃物の話題になると、いつも山刀(ナガサ)が話題に挙がります。本書ではそれらを紹介した後『マタギのナイフでは、もう一種「コヨリ」も見逃すわけにはいかない(p.68)』と、コヨリというタイプのナイフも紹介しています。

大型汎用ナイフであるナガサに対し、コヨリは獲物の解体を主たる目的とした小型ナイフである。モダン・ナイフの「ケーパー」に対比すべきものと考えればよかろう。

わたしもこの点はすごく気になっていた話題でして、マタギ(あるいは猟師全般)は大きなナガサ1本ですべてをまかなうだろうか? と思っていました。まさにコヨリがその答えなんですね。

また、道具というのは突き詰めればある形に収束していくもので、モダン・ナイフとの共通点も語られています。

モダン・ナイフでは、ドロップポイントと称するハンティング・ナイフが、マルチ・パーパス用として有名だが、不思議なことに、コヨリのフォルムは、ドロップ・ポイントに酷似している。ただし、コヨリは片刃であり、ドロップ・ポイントに先駆けること数百年という違いはあるものの……。

とまぁ、モダン・ナイフよりも和式ナイフを愛する著者の皮肉が見え隠れするのもこの本の特徴ですので、モダン・ナイフ愛好家の方はあまり熱くならずに読むことをオススメします(笑)。

本書いわく、『現在、コヨリを作っている鍛冶は、後に紹介する土佐在住の土井良明さんと、越前鍛冶、佐治武士さんの二人だけ』とのことです。

ここまで読んで頂いて、「で、コヨリってどういう見た目なのよ?」と気になった人もいるでしょう? わたしも本を読みながら気になりました。この本の嬉しいところは写真がふんだんに使われていること。ちゃんとページをめくったら、土井良明氏のコヨリが紹介されていました。

ネットで探してみましたが、写真はあまり見当たりませんね(あることはありました)。見てみたい方はぜひ本を手に取ってみてください。あえて言えば「百練小鬼手」という土居良明さんのナイフに似ていますが、もっとずんぐりとしています。個人的には「コヨリ」というナイフに魅了されました。

大きめのナガサと小さめのコヨリ。わしきナイフで狩猟をするなら、すばらしい組み合わせではないでしょうか?

和式ナイフの虜になる

この本は写真が多く、その語り口調にも迷いがなく、読んでいるうちに「和式ナイフ欲しい、和式ナイフ欲しい」とうなされること間違いなしです(というか、わたしがそういう感じ)。

わたしが次にナイフを買うときは確実に和式ナイフにするでしょうね。すぐに買うという意味ではありませんが、来年中には2〜3本は買うことになると思います。

そのときまでは楽しく情報収集をしたいと思います。

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