単独猟を分類してみる
単独忍び猟という言葉がある。

わたしも自分の著書のタイトルで使った言葉だし、普段からブログやら雑誌やらでも使い続けている言葉でもある。
狩猟を始めたその日から単独忍び猟に取り組むようになり、8年が経った。何気なく使ってきた言葉だけど、今思うと少し曖昧に使ってきた気もする。
忍び猟とはなにかというとき、よく「1人で山を歩き獲物を獲る」というニュアンスで説明するが、説明が足りないというか、物足りなさを感じる。
そこで今日は四つ足の単独猟の猟法を整理・分類してみる。ちなみに呼び名は勝手につけたので、適した名前や、既存の名称があったら教えてほしい。
追跡猟・トラッキング
足跡を追跡して獲る。
〈関連する重要な技術〉
- 足跡の読み: その足跡は追いつけるものか?/どれくらい古い?/群れか単独か?
- 行動の読み: その足跡はどこに向かっているか?/先回りできそうか?/向かう先が遠すぎないか?
- 追跡スピード: 慎重になりすぎて遅すぎれば追いつけないので、無駄な音をたてすぎず、しかしある程度のスピードで行動したい
- 忍び寄る技術: アプローチに関してはバレずに忍び寄る技術が必要
足跡の先に確実に獲物がいるので、闇雲に歩くよりも希望を感じながら取り組めるのと、不慣れな山域で、どこに獲物がいるか分からないときは、情報収集としても大変有効なアプローチ。
付き場回り
餌場や寝屋といった、獲物の付き場を狙い撃ちにする猟法。
〈関連する重要な技術〉
- 付き場を知っていること: 山を知っていること
- 付き場にアプローチするルート選定: 射線を確保しながら、バレずに適切にアプローチするルート選定
- 忍び寄る技術: 射程距離に入るまで、忍び寄る技術
待ち伏せ猟
有力な獣道があれば、待ち伏せるのも有力。「朝一番に、この道を通るんだよな~」と分かっていれば、事前にそこに張り込むことで捕獲に至る。
〈関連する重要な技術〉
- 付き場を知っていること
- 季節ごとの行動パターンの理解
- 忍耐
コール猟
シカの発情期にシカ笛で呼び寄せて撃つスタイル。積極的な待ち伏せ猟とも言える。
〈関連する重要な技術〉
- 呼んだら来る場所を知っていること
- 忍耐
- シカ笛の技術
犬あり単独猟
猟師1人と、猟犬で取り組む猟になる。犬が一頭だと「一銃一狗」という呼び名が一般的。
犬あり猟の中にもスタイルはさまざまで、軽く分類しようと試みたが、あまりに心許ないので消した。猟犬の仕事を雑に整理すれば、探す・止める・獲物を連れてくる・撃った獲物を探すなどが挙げられる。犬の個性と猟師のスタイルによって、これらの比重が変わってくるイメージ。
単独猟自由形
足跡を追うでもなく、明確な付き場を狙うでもなく、山を自由に歩き回り、獲物に出会うことを願いつつ、付き場や痕跡を探す。
付き場を知らない山域で、行動パターンも読めていない状況で、雪もなく、足跡を追いにくいときにリサーチ的な目的も兼ねて取り組むことになる。その中で付き場を見つけたり、獣道を見つけたら、前述の追跡猟・付き場回り・待ち伏せ猟に展開していくイメージ。
流し猟
車やスノーモービルで獲物の付き場を回り、獲物を撃つスタイル。
車に乗っているだけのことで、やっていることは付き場回りで書いたことと同じ。たとえばわたしは積雪期にスキーで付き場回りをすることが多いが、「歩く流し猟」と呼んでいる。
忍び猟とはなにか?
単独猟=単独忍び猟と書いてしまいがちだが、自分なりには追跡猟・付き場回りの2つが忍び猟的であると思っている。言い換えれば、追える足跡か、既存の付き場があって、はじめてできるのが忍び猟なのかな、と。
たとえば冬眠中のヒグマを獲るための “穴狩り” という猟法があるが、これもまず冬眠穴の場所を知らないと始まらない。冬眠穴の場所も知らず、冬の山をフラフラ歩きながら「穴狩りをやっている」とは言えない。まず冬眠穴を探し、そして穴狩りに挑戦する、という順序が自然だろう。つまり、付き場や獣道などが読めていない状態で、できることは忍び猟をするためのリサーチかな、と。
わたし自身、曖昧に単独忍び猟という言葉を使ってきたと自省している。言葉はちゃんと使い分けないとな、と
――と、わたしは分類していますが、実際のところどうなんでしょうね?
言葉狩りをしたいわけでもないし、他人が使っている言葉を評したいわけでもないです。自分なりの整理のつもりで書いてみました。
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