狩猟をやっていて嫌なこと辛いこと

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わたしは狩猟が好きですので、どうしても「楽しいぞ」という話ばかり書きたくなりますが、嫌なことがないわけではありません。それも現実、ということで書いてみます。

これから始めようとする人を止める意図はありません。むしろこれくらいのことは想定済みで始めた方がいいかなって話です。

 

1.手続きが多く時間を取られる

狩猟免許、猟銃の所持許可の取得までに1年近くかかりますし、その後も狩猟登録や猟銃の一斉検査が毎年あり、3年に1度は銃の更新、定期的に弾の許可証のために警察へ……。

ってな具合に、本当に手続きに追われます。

自分でタイミングを選んで済ませる手続きもありますが、基本的に日にちを選べないものもあります。たとえば銃の更新は指定された1ヶ月間に済ませなくてはならず、銃の一斉検査は指定された日に指定の場所に行かなければなりません。まぁ、困ったときのための救済処置もありますが……。

率直に言って「年中、何らかの手続きのことを気にしている」と言っても過言ではありません。

 

2.猟ができる場所もけっして自由じゃない

釣りであれば、軽い気持ちで釣りができる場所がたくさんあります。管理釣り場もありますし、釣り雑誌を見れば有名な釣り場も見つかります。

一方で狩猟はそこまで簡単にはいきません。

法律的な禁猟区があるし、禁猟区でなくても民家があれば猟はできません(厳密なルールは免許取得時に習います)。そういったすべてのルールをクリアしていても、山に行ってほかのハンターがいればそこではできないでしょう。

とくに週末はハンターも多く猟に出るので、誰かと被る可能性が高いです。みんながみんなそうではありませんが、縄張り意識の強い人もいて、そういう人と猟場で被るとケンカになることもあるという話を聞きます。幸いわたしはそういう事態になったことがないので、あくまで「聞いた話」ですが。

要するに狩猟免許や猟銃の所持許可を取ったあとも、猟ができる場所を探すか、猟に連れて行ってくれるような先輩を探すかでもしないと現実的には猟ができないんです。

 

3.人間的なしがらみもある

狩猟の世界ってとても狭いです。本当に驚くほど狭いです。いわゆるTwitter上での繋がりだった人と偶然射撃場で会うとか、そんなことはザラにあります。

また、猟場で人に会うことも少なくありません。地域にもよるかもしれませんが、みんなが考える「良い猟場」ってのは思いのほか被るもんでして、ちょっと射撃場で会った人と、次に猟場で会うとか、そういうこともあるもんなんです。また猟友会に所属する人も多いです。

なにが言いたいかというと、良い悪い・好き嫌いは抜きにしても、人間関係から完全に離れて猟をやることは難しいということです。

良い人間関係に恵まれれば楽しいでしょうし、嫌な人が多くなれば辛い人間関係になるでしょう。

わたしは人間関係には恵まれていますが、いろいろ面倒も話を聞きます。

 

4.人に言いにくい行為という側面も

狩猟を始めてすぐの頃は「おれ、狩猟を始めたんだ」とみんなに言いたくなったりもしますが、良い反応もあれば、悪い反応も必ず経験します。

「え〜、狩猟? 動物殺すの? 残酷……」

自分が好きでやっていることなのに、そうやって悪人のような目で見られることはあまり気持ちの良いものではありません。たとえ自分の中で間違ったことをしていないつもりでも、人は、人からの反応から少なからず影響を受けるものです。

次第にあんまり人に話さなくなるハンターが多いような気がします。

 

5.ハンター同士も仲間とは限らない

ハンターの敵はハンター

猟を始めてから聞くようになった言葉です。同じ狩猟という行為をやっていても、人それぞれに考え方や方法が違います。

「それは間違ってる」「そんな方法じゃハンター失格だ」

そうやって、ほかのハンターを攻撃するハンターもいます。もちろんそういう人ばかりじゃないです。でも、そういう人もいます。

攻撃でなくても、たとえば考え方の違いで相容れないこともあるでしょう。この場合は “敵” とまでは感じないでしょうけど、「ハンターなら仲良くなれる」なんていう単純なことでもない、ってことです。

わたしだって「ハンターたるもの射撃の練習はしないと」という考えです。射撃なんて無意味と言うハンターもいるもんで、相容れないときは相容れないってことです。

※念のため:“射撃なんて無意味” というハンターを攻撃する気はないですよ。ただ考え方が違うというだけのことです。

 

6.獲物はなかなか獲れない

大物猟を志す人は余計にそうなのですが、獲物はそう簡単に獲れません。

わたしは初猟期である去年、大物8頭を獲りました。大満足の成果です。でも本当に恵まれたというだけのことであって、運の要素が大きかったんだろうなと思っています。

1頭目をとるまでにたしか7〜8回の出猟を要しました。人によっては1シーズンで1度も獲れないということもあるそうです。しかも珍しいことではありません。

「獲れなくても楽しい」と思えないなら辛い猟になると思います。

また、獲れるとしても、“狩猟” という時間の大半は鉄砲を撃つわけでも、構えるわけでもなく、地味に自然の中を歩く行為です。

やはり「獲れなくても楽しい」と思えないなら辛いでしょうね……

 

でも深くおもしろい行為だな〜と

とまぁ、いろいろ書きましたが、いくら “嫌なところ” を挙げても、狩猟のおもしろさにはかないません。

1〜6まで挙げましたが、本当に「面倒だナ〜」と思うのは『1.手続きが多く時間を取られる』くらいですかね。

どんな趣味でも必ず面倒なことはありますから。多少の面倒ごとは受け入れてやらないといかんってことでしょうね。


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狩猟やってます。ひとりで歩き獲物を追う単独忍び猟が好き。2022年からはアイヌ犬のイチを連れて一銃一狗に挑戦します。狩猟系ブログ《山のクジラを獲りたくて》運営。狩猟系の本を集めるのが趣味。雑誌『狩猟生活』『ガンズ&シューティング』に寄稿し始めました。 ヤマノクジラショップ始めました:https://yamanokujira.theshop.jp

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