わたしなりに狩猟の魅力を伝えてみよう

最終更新日

「狩猟に興味が湧いているんだけど……」って人の背中を押すつもりで、わたしにとっての狩猟の魅力を書いてみようと思うのです。

狩猟の魅力って本当にみなさん違う部分に感じているんですよね。「世のため人のため」にやっている人もいるし、「楽しいから」って人もいるし、実際のところ「仕方なくやっている」って人も知っています。本当に人それぞれ。

わたしはこうです。

ひと味違う山の楽しみ方

昔からわたしは登山をやっていました。週末になるとひとりで山に行って、頂上に登って降りてきます。帰り道には「来週はどの山に行こう」と楽しく悩んだものです。

この時期、どういうわけか同じ山に行くことはあまり考えませんでした。毎週毎週、なにかゲームを攻略するように違った山に向かいました。

それはそれでおもしろかったんですが、結局遠い山に行くのは億劫だし、現実的にあまりに遠くの山はあまり行けない。

狩猟を始めて気付いたことは「近くの山が最高に楽しい」ってこと。

狩猟を始めてからは家からほど近い山にしか行かなくなりました。同じ山を繰り返し歩きますが、それが飽きない。行く度「あ、このけもの道は知らなかった」「新しい足跡だ」「この前はなかった角の研ぎ跡がある」と発見が尽きない。しかもその発見が「ただの自然観察」ではなく、狩猟という行為に結びつくからおもしろい。

山の頂上に登るのも攻略的なおもしろさはありますが、頂上なんかに見向きもせず、その山の動物の世界に目を向けてみると違った山のおもしろさが見えてきます。

 

夏は釣りで冬は猟という季節感

わたしは渓流釣りもしますが、冬はできません(禁漁期)。狩猟を始めるまでは夏は釣りで、冬はちょっとした登山って感じでしたが、今では冬=猟。

猟は冬しかできないというもどかしさはありますが、「季節感があってもそれもいいかもしれない」と最近は思っています。

 

獲って食うという人生観

食べるものを自分で獲る or 採るってのは実におもしろいものです。

もちろん狩猟だけではなく、家庭菜園で野菜を採ったり、ニワトリを飼って卵を採ったりするのもおもしろい。

参考:養鶏歴5ヶ月:ニワトリのいる生活についてのQ&A

となれば、狩猟だっておもしろい。わたしは幼い頃から父が獲ったカモを食べて育ちましたが、やっぱり食卓での会話が楽しいです。

「このコガモは脂がしっかりのってるからおいしいだろ?」
「これはちょっと痩せてるから、料理の仕方を変えてみたよ」

ってな具合に、個体ごとに違った個性があっておもしろいし、「これを獲ったときはさ〜」という雑談もおもしろい。

わたしは主に大物猟ですが、食べるときに「これはメスジカで、まだ若くて——」とか「これは大きなオスジカで、一般的にはちょっと臭いと言われがちなんだよね——」とか、その個体ごとの違いを楽しみながら食べるようにしています。

その個体の特徴と、料理がばっちり合うとやっぱりうまいわけです。

そういうのを楽しめる人生って良いですよね。

 

鉄砲という趣味

わたしはいわゆる鉄砲マニアではないので、あれこれ詳しいわけではないですが、それにしても鉄砲という道具にロマンを感じるのはたしかです。

いい加減に扱えば危ないものであるだけに、いつも気が引き締まるし、ちょっとした誇り?のようなものも感じます。大型バイク持っている誇りと似ているでしょうか?

(鉄砲や大型バイクが偉いという意味ではないです、念のため)

 

幼い頃の週末、父が鉄砲を磨いていたのを思い出します。リビングに漂うオイルの匂い。カーテンはいつも念のため閉めて、ちょっと薄暗いなかで丁寧に磨いていました。

鉄砲というものに強い憧れを持ったことはないのですが、あの父の姿はちょっと憧れていました。なんでだろう……。

 

今、鉄砲を所持して、道具としてのおもしろさや魅力をひしひしと感じています。

 

山で感じる重いもの

山の中で、ひとりで死んだ獲物と対峙したときの緊張感は忘れません。

「ああ、おれが殺したんだ」

と、茫然としました。もちろんがんばって獲ったから嬉しかったし、達成感もありました。ガッツポーズしたくなるような喜びはありますよ、そりゃ。

だけど……ズンと腹に抱える重いものもありました。

そういう感覚を感じられるのはわたしにとっては猟だけですね。

 

獲物を読む喜び

山に入り、獲物の痕跡を読む。天気を加味しながら、獲物がいるであろう場所を考える。

山を歩き続け、その「いると思う場所」に忍び寄る。

1歩1歩、音をたてないようにして、その場所について、ソーッと顔を出す。そこに狙い通り鹿がいる。

このときの喜びは計り知れないものがあります。

猟をしていて一番嬉しい瞬間かもしれません。

 

「獲物が獲れたよ」という連絡

わたしは結婚していますので、猟から帰れば妻がいます。

猟に出るためには妻にもたくさん協力をしてもらっています。なにしろ、その日は1日不在になりますからね。負担もあるでしょう。

だからこそ、いつも獲れたら、血抜きの直後に「獲れたよ」とメッセージを送ります。わたしは1頭獲れたらおしまいですので、それはつまり「解体が終わったら帰るよ」という意味でもあり、万事無事だよ、という意味もあります。

今の時代、獲物が獲れないと死んでしまうということはないものの、それでも貴重な時間を使って獲っているわけだし、家族にも負担がいくわけで、獲れるとホッとしますね。

良かった、と思います。

 

自分の楽しみを見つけてください

狩猟の魅力って、ほかにもたくさんあります。なにを魅力に感じるかは人それぞれ、たとえば——

  • みんなでワイワイ巻狩をするのが楽しい
  • 巻狩の後の打ち上げが楽しい
  • 鉄砲を撃てることが楽しい
  • 鉄砲を持って山を歩くのが楽しい
  • 好きな鉄砲を所持できるのが楽しい
  • etc

自分なりの楽しみを見つけてください。

 


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狩猟やってます。ひとりで歩き獲物を追う単独忍び猟が好き。2022年からはアイヌ犬のイチを連れて一銃一狗に挑戦します。狩猟系ブログ《山のクジラを獲りたくて》運営。狩猟系の本を集めるのが趣味。雑誌『狩猟生活』『ガンズ&シューティング』に寄稿し始めました。 ヤマノクジラショップ始めました:https://yamanokujira.theshop.jp

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